2018 Fiscal Year Annual Research Report
Triple therapy prevention of Recurrent Intracerebral Disease EveNts Trial
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17H04308
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
豊田 一則 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 副院長 (50275450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪原 匡史 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (00372590)
有馬 久富 福岡大学, 医学部, 教授 (20437784)
古賀 政利 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (30512230)
濱崎 俊光 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究開発基盤センター, 部長 (40379243) [Withdrawn]
山本 晴子 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, その他, センター長 (40501797) [Withdrawn]
石上 晃子 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医師 (60828672)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脳出血 / 高血圧 / 降圧療法 / 配合剤 / 研究者主導型臨床試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳出血患者の至適降圧目標の下限や適切な降圧方法は明らかでない。脳出血後の患者を対象に、低用量トリプル配合剤(テルミサルタン、アムロジピン、インダパミド)を用いた降圧療法の治療効果(全脳卒中の発症抑制効果、脳出血再発抑制効果、認知機能低下抑制効果など)を、研究者主導の国際多施設共同、無作為化、同時対照比較、並行群間、第III相試験により明らかにする。ClinicalTrials.gov (NCT02699645)に試験概要が登録されている。しかしながら進捗状況の項に記載した諸理由で、国内外で本試験は現在停滞している。 本研究の趣旨に少しでも適った研究を遂行するため、同じく脳出血患者を対象に降圧治療を行った ATACH-2試験の事後解析として、登録直後の24時間以内に到達した収縮期血圧レベルの平均値を求め、この血圧レベルと3か月後死亡・高度機能障害や早期血腫拡大(変化量6 mL超)、7日以内の心血管系および腎臓系の有害事象(非軽症)との関連を調べた。死亡・高度障害は、140~150 mmHgへの到達群が有意に高率を示したが(オッズ比 1.62、95%信頼区間1.02-2.58)、全体的に血圧との関連は不明瞭であった。血腫拡大は血圧レベルと正の相関関係を認め、とくに140 mmHg以上の2群で有意に高率であった。心・腎有害事象は血圧レベルと負の相関関係を認め、とくに140 mmHg以上の2群で有意に低率であった。このように、脳出血超急性期の積極的降圧に伴う血腫拡大の抑止という、本来は後遺症軽減に有益な筈の効果が、急激な降圧に伴う心・腎有害事象の増加によって打ち消されていることが、示された。本研究結果は米国科学誌に掲載された(Toyoda K, et al: Ann Neurol. 2019;85:105-113)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.「脳出血患者への低用量トリプル配合降圧薬の安全性と有効性を検討する国際無作為化試験」(Triple Therapy Prevention of Recurrent Intracerebral Disease EveNts Trial: TRIDENT) の研究遂行のため、2017年度にTRISENT試験国際版と合致した研究計画書を作成し、研究代表者施設(国立循環器病研究センター)の倫理委員会での審議を受けた。この委員会では、慢性期脳出血への比較的厳格な降圧療法が既に推奨されているわが国が、そのような啓発の進んでいない他国と同じ条件で試験に参加することなどに疑義が呈せられ、承認に至らなかった。海外施設と研究計画変更を協議するなど解決に努めたが、2018年度内の認定臨床研究審査委員会への申請に至らなかった。 2.試験に用いる低用量トリプル配合剤に含まれる後発医薬品の一部が、国内での承認を受けていないことが、研究を進めてゆく上で問題となった。このため先進医療Bの承認を受けての試験開始を考えているが、上記のためまだ先進医療への申請が行えていない。 3.2019年2月に開催された国際研究者会合(ホノルル)で、海外も軒並み進捗が遅れていることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
TRIDENT試験の可能な限り早期の承認取得と症例登録開始を行う。 しかしながら現状を考えると、助成が終了する2020年3月までに脳出血後の降圧目標の下限や適切な降圧方法の解明に至るには、困難が予想される。 研究者らは本試験と別に、同じく国際多施設共同、無作為化、同時対照比較、並行群間、第III相試験であるAntihypertensive Treatment in Intracerebral Hemorrhage 2 (ATACH-2) 試験(ClinicalTrials.gov NCT01176565) に参加し、その主解析結果を公表した(Qureshi AI, et al. N Engl J Med. 2016;375:1033-1043)。また事後解析として、研究実績の概要の項にも記載したように、2018年度に研究成果を公表した(Toyoda K, et al. Ann Neurol. 2019;85:105-113)。 本年度は引き続きATACH-2試験から、「発症後24時間を経て生じる神経症候増悪の特徴」、「人種差による治療効果の異同」、「group-based trajectory modelingを用いた降圧治療への反応性の違い」、「脈拍数の変動性が治療に及ぼす影響」などの課題を採り上げ、解析を行い結果公表を目指す。上記4課題は、いずれも2018年度から解析を始めており、2019年度中の国際科学氏への結果公表が可能と考える。TRIDENT試験の遂行が本義であるが、同時に科学的な代替手段を用いて、本研究の最終目標である脳出血患者の慢性期転帰改善に繋がり得る適切な血圧管理法の確立を目指す。
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[Journal Article] Clinical Outcomes Depending on Acute Blood Pressure After Cerebral Hemorrhage2019
Author(s)
Toyoda Kazunori、Koga Masatoshi、Yamamoto Haruko、Foster Lydia、Palesch Yuko Y.、Wang Yongjun、Sakai Nobuyuki、Hara Takayuki、Hsu Chung Y.、Itabashi Ryo、Sato Shoichiro、Fukuda-Doi Mayumi、Steiner Thorsten、Yoon Byung-Woo、Hanley Daniel F.、Qureshi Adnan I.、the ATACH-2 Trial Investigators
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Journal Title
Annals of Neurology
Volume: 85
Pages: 105~113
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Absolute risk and predictors of the growth of acute spontaneous intracerebral haemorrhage: a systematic review and meta-analysis of individual patient data2018
Author(s)
Al-Shahi Salman R, Frantzias J, Lee RJ, Lyden PD, Battey TWK, Ayres AM, Goldstein JN, Mayer SA, Steiner T, Wang X, Arima H, Hasegawa H, Oishi M, Godoy DA, Masotti L, Dowlatshahi D, Rodriguez-Luna D, Molina CA, Jang DK, Davalos A, Castillo J, Yao X, Claassen J, Volbers B, Kazui S, Okada Y, Fujimoto S, Toyoda K, et al
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Journal Title
The Lancet Neurology
Volume: 17
Pages: 885~894
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Blood Pressure-Attained Analysis of ATACH 2 Trial2018
Author(s)
Qureshi Adnan I.、Palesch Yuko Y.、Foster Lydia D.、Barsan William G.、Goldstein Joshua N.、Hanley Daniel F.、Hsu Chung Y.、Moy Claudia S.、Qureshi Mushtaq H.、Silbergleit Robert、Suarez Jose I.、Toyoda Kazunori、Yamamoto Haruko、on behalf of ATACH 2 Trial Investigators*
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Journal Title
Stroke
Volume: 49
Pages: 1412~1418
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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