2017 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム編集技術によるiPS細胞由来内耳細胞のギャップ結合修復
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17H04348
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
池田 勝久 順天堂大学, 医学部, 教授 (70159614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤松 和土 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (60338184)
美野輪 治 国立研究開発法人理化学研究所, その他, 研究員 (00181967)
神谷 和作 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10374159)
飯塚 崇 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (40372932)
井下 綾子 順天堂大学, 医学部, 助教 (00514762)
城所 淑信 順天堂大学, 医学部, 助手 (60514487)
安齋 崇 順天堂大学, 医学部, 助手 (20624852)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 遺伝性難聴 / ギャップ結合 / ゲノム編集 / iPS細胞 / 内耳 / 遺伝子改変動物 |
Outline of Annual Research Achievements |
Connexin (CX) 26をコードするGJB2遺伝子は遺伝性難聴で最大の原因遺伝子である。我々はCX26変異が蝸牛ギャップ結合複合体を劇的に崩壊させる新たな難聴発症機構を解明した。(Kamiya, 2014, J. Clin. Invest., 2014)。この病態を遺伝子治療にて修復し、CX26欠損マウスの聴力を有意に改善させることが可能であった(Iizuka, Hum. Mol. Genet., 2015)。これらを発展させ、薬剤等の開発とその臨床応用のためには、有効性、安全性の指標となるGJB2変異患者由来疾患モデル細胞が今後有効なツールとなる。本研究では人工多能性幹(iPS)細胞を用いた蝸牛ギャップ結合形成細胞の作製を行った。正常マウスおよび遺伝子改変難聴モデルマウスからiPS細胞を樹立し、外胚葉、非神経外胚葉への分化誘導を行い蝸牛と同様のCX26ギャップ結合プラークを形成する細胞の作製した。同細胞は発達期蝸牛と同様の機能および特徴を示した。さらにCX26欠損マウス由来iPS細胞から蝸牛の病態を体外で再現することに成功した。同細胞はGJB2変異型遺伝性難聴の有効な創薬ツールとして活用でき、再生医療への応用も期待できる。これらの変異モデルのゲノム編集を行うため、in vitroでのゲノム編集技術の検討を行っている。また、GJB2変異型遺伝性難聴患者からのiPS細胞の樹立とヒト内耳細胞の分化誘導法の確立が進んでいる。また、分化誘導効率と生産効率を飛躍的に高める方法を開発しており、これらの技術発展により今後の治療法開発が大きく進展することが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子改変難聴モデルマウスの選抜やそれらのマウス由来のiPS細胞の作製、分化誘導実験は順調である。ゲノム編集技術は実技実習への参加によってin vitro実験の準備が順調に進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はiPS細胞の分化誘導効率を更に高める方法を開発し、ゲノム編集や細胞移植実験へと発展させる。
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Research Products
(1 results)