2019 Fiscal Year Annual Research Report
レンサ球菌のニッチ拡大に伴う宿主-菌体相互作用の解析
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17H04369
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中田 匡宣 大阪大学, 歯学研究科, 准教授 (90444497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川端 重忠 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (50273694)
岡橋 暢夫 大阪大学, 歯学研究科, 准教授 (40150180)
住友 倫子 大阪大学, 歯学研究科, 講師 (50423421)
山口 雅也 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (00714536)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | レンサ球菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺炎レンサ球菌や口腔内レンサ球菌であるStreptococcus sanguinisはミティス群レンサ球菌に属する.粘膜感染症ならびに菌血症を伴う肺炎や髄膜炎などの侵襲性感染症を惹き起こす肺炎球菌は世界保健機構から新規抗菌薬が緊急に必要な薬剤耐性菌に挙げられている.一方,S. sanguinisをはじめとする近縁種の口腔内細菌は歯牙へ早期に定着し,初期プラークの形成に関与する.しかし,ミティス群口腔レンサ球菌は感染性心内膜炎からの高頻度に分離されることから,口腔内から血流に侵入すると病原性を呈すると考えられる.他の口腔内レンサ球菌と比較して,S. sanguinisは多様な細胞壁架橋型菌体表層タンパク質を分泌するため,菌体表層タンパク質の機能が血流における菌体の生存や心組織定着に関与すると考えられる.本申請研究では,ミティス群レンサ球菌の全身伝播時における免疫回避や組織定着に関与する細菌因子を探索し,新規の病原性発揮機構の解明を目的とした. 本年度では,菌株収集を継続して行うと共に,S. sanguinisが産生する線毛構成タンパク質を解析した.その結果,新規のサブユニットを発見し,線毛特異的なトランスペプチダーゼにより他の線毛サブユニットに連結されることを明らかにした.さらに,新規線毛サブユニットの遺伝子欠失株を作製し,バイオフィルム形成能を評価した結果,野生株と比較して欠失株のバイオフィルム形成能はグルコース存在下で低下した.したがって,同定した線毛サブユニットはバイオフィルム形成に関与することが示唆された.肺炎球菌については,培養温度がマウス血中での菌体生存能に与える影響を検討した.その結果,培養温度の上昇により,血中での菌体生存能は上昇することが示唆された.
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(38 results)