2018 Fiscal Year Annual Research Report
免疫細胞のクロストークによる抑制性免疫応答制御機構の解明
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17H04376
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
永井 重徳 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (50348801)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 免疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
粘膜組織における微生物感染において、正の免疫応答に続いて起こる負の免疫応答(免疫抑制)が、適切な時期・強さで起こることが、免疫学的ホメオスタシスを保つために極めて重要であり、この免疫抑制がうまく作用しない時に、慢性炎症や過剰な免疫抑制による二次感染が起こると考えられる。この現象は免疫麻痺と呼ばれ、特に臨床において入院患者が二次的に院内感染した際には、場合によっては死に至るなど大きな問題となっている。そこで本研究では、正の免疫応答に続く免疫抑制機構について、各免疫細胞同士の相互作用に留意しながら、時空間的に明らかにする。また、これら制御機構における免疫チェックポイント分子の役割を示すことにより、in vivoにおいてエフェクター機能をいかに適切に制御できるかを目的とする。 本年度は、昨年度作製したマウスモデルを用いて、免疫応答についてさらに検証した。このモデルでは、ある骨髄細胞が一過的に増殖するものの、その後経時的に減少することが明らかになった。この細胞に免疫抑制効果があるかについては解析中である。また、T細胞からのサイトカイン産生や細胞増殖について検討したが、T細胞でもCD4+T細胞とCD8+T細胞では、このマウスモデルにおいて影響を受ける度合いが異なることを見出した。なお共刺激分子のうち、特にPD-1/PD-L1経路の関与については、現在これらの遺伝子改変マウスを用いて解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスモデル作製に使用していた試薬のロットが新しくなった際に、前ロットでの条件投与によりマウスが死んでしまうため、投与量を改めて検討し直したために実験の進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
このマウスモデルにおいて、免疫チェックポイント分子に対する抗体を用いたり、免疫チエックポイント分子欠損マウスに対して用いたりして、正の免疫応答に続いて起こる負の免疫応答における、免疫チェックポイント分子の役割を明らかにする。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Differences in tumor-recruiting myeloid cells in murine squamous cell carcinoma influence the efficacy of immunotherapy combined with a TLR7 agonist and PD-L1 blockade.2019
Author(s)
Tachinami H, Nishii N, Xia Y, Kashima Y, Ohno T, Nagai S, Li L, Lau W, Tomihara K, Noguchi M, *Azuma M.
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Journal Title
Oral Oncol.
Volume: 91
Pages: 21-28
DOI
Peer Reviewed
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