2018 Fiscal Year Annual Research Report
細胞運動能を指標とした再生医療向け非侵襲的口腔粘膜上皮細胞評価システムの開発
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17H04398
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
泉 健次 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80242436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
難波 大輔 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 准教授 (10380255)
飛田 成史 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (30164007)
佐藤 大祐 新潟大学, 研究推進機構, 特任助教 (70778703)
木森 義隆 福井工業大学, 環境情報学部, 准教授 (10585277)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 再生医療 / 口腔粘膜上皮細胞 / 品質管理 / 細胞運動能 / 細胞増殖能 / 画像解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに、オプティカルフローという画像解析亜アルゴリズムが細胞運動能の非侵襲的測定と定量化技術として、使用可能ではないかという手がかりを得、細胞撮影画像を処理して動画を作成し、その動画にあるコロニーの細胞移動によって生じる各ピクセルの“輝度の差”を算出し、その総和を細胞移動速度の相対値として用い、細胞運動能の定量評価方法としてデータ収集を始めていた。パラメータの名称として、平均速度規模と命名した。さらに、増殖能の指標としてはDishを固定し、追跡したコロニーを同定し、細胞数からポピュレーションダブリングの値を増殖能の指標とし、この二つにはどうやら正の相関がありそうというところまで進んでいたので、今年度はさらに測定コロニー数を増やし、300を超え、統計学的に有意差を持って細胞増殖能と正の相関があるという結論に至った。一方で、細胞の品質評価法として、複数のパラメータで評価することで信頼度が格段にアップするので、先端バイオイメージング支援プラットフォームに応募して、研究分担者としてもう1名情報科学に長けた木森先生を分担者と追加した。木森先生との協力により、オプティカルフローとは異なる、テンプレートマッチング法のひとつである正規化相互相関という方法でも細胞の運動能を非侵襲的に計測し定量化した。その結果、NCCアルゴリズムによるパラメータをダイナミックインデックス(活動度)と命名したが、活動度も同様に統計学的に有意差を持って細胞増殖能と正の相関があるという結論に至った。現在は、より再生医療の臨床現場に即した状態での観察方法として、コロニー単位ではなくランダムに選択した画面全体を対象にし、撮影時間も3時間としてデータを収集している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
活動度と平均速度規模の二つの細胞運動能指標になるパラメータと、細胞増殖能が有意に正の相関があることがわかったので、国内特許取得出願を実施し、その後、国際学会で3題、国内学会で1題、ほぼ同じ内容であるが、発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
より再生医療の臨床現場に即した状態での観察方法として、コロニー単位ではなくランダムに選択した画面全体を対象にし、撮影時間も3時間としてデータを収集している。かつ、本格的に細胞運動能の分子生物学的メカニズムの解明を実施している。また、実際再生医療現場で細胞の品質管理法として用いる場合には、増殖能の低い細胞を除外するための基準値が必要になってくる。クローニングを試したが、フィーダー細胞がないため細胞が育つことがなかったので、この方法での基準値設定は諦め、細胞に生理的、病的ダメージを加え、運動能を故意に低下させ、現在培養口腔粘膜を作成し評価を試みている。
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Research Products
(5 results)