2019 Fiscal Year Annual Research Report
新規診断・治療法の開発に向けた口腔扁平上皮癌細胞由来エクソソームの解析
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17H04406
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
山本 哲也 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (00200824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇高 恵子 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 教授 (40263066)
笹部 衣里 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (40363288)
仙頭 慎哉 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (30635264)
北村 直也 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (70351921)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エクソソーム / 口腔扁平上皮癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はこれまでの研究より明らかとなった正常細胞と比較して口腔扁平上皮癌細胞ならびに口腔扁平上皮癌細胞由来エクソソームにおいて特異的に含有レベルが低下するがん抑制的miRNAの一つであるmiR-X1の発現抑制機序について低酸素ストレス、酸化ストレスの影響を検討した。口腔扁平上皮癌細胞株OSC-4ならびにHSC-4を1%の低酸素環境下で培養すると、時間依存性に細胞レベルにおいてmiR-X1の発現レベルが低下するとともに、エクソソームに含有されるmiR-X1のレベルも低下した。また、miR-X1の発現は株化口腔扁平上皮癌細胞のみならず舌癌組織においても低酸素領域が想定される腫瘍中心部においてその発現が低下していた。また、酸化ストレスの影響についてはMn-SODのsiRNAをトランスフェクションし、miR-X1の発現レベルへの影響を検討したところ、Mn-SODノックダウンにより発現レベルは低下した。 次に、口腔扁平上皮癌細胞の悪性形質獲得におけるmiR-X1の作用について検討した。OSC-4細胞にmiR-X1を導入すると細胞増殖が抑制され、その際、G0/G1期の細胞比率が増加するとともにS期およびG2/M期の細胞比率が減少しG0/G1アレストが生じた。さらに、癌細胞の浸潤能におけるmiR-X1の関与をInvasion assayを用いて検討したところ、miR-X1を導入することにより浸潤能は有意に抑制され、逆に、miR-X1をノックダウンすると浸潤能は有意に増強し、miR-X1はOSC細胞の浸潤能を負に制御していることが明らかとなった。 以上のことから、低酸素環境下ならびに酸化ストレス状態において口腔扁平上皮癌が分泌するエクソソームに含有される癌抑制遺伝子:miR-X1の発現は低下することが示唆された。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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