2020 Fiscal Year Annual Research Report
先進的脳科学に基づく塩味と甘味の年代別認知機能の解明と生活習慣病予防への応用
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17H04423
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
後藤 多津子 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (60294956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田邊 宏樹 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (20414021)
徳森 謙二 帝京大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40253463)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 脳機能 / 口腔衛生学 / 味覚 / 食生活 / 生活習慣病予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
生活習慣病を減塩、減糖により予防する事は社会的緊急課題である。そのためにも、味の強さの認知における加齢変化を解明する必要がある。私たちは口腔と脳で「塩味濃度を認知する際の大脳と脳幹の相互関連」や「おいしさを損なわずに塩味や甘みを増強する天然物質の効果」を明らかにしてきた。 本研究の目的は、一連の研究を発展させ、年代別に味覚の強さを認知するメカニズムを解明することである。独自に開発したシステムを用い、様々な濃度の溶液による味の強さとおいしさの増強効果を口腔で解析し さらに脳機能ネットワークとの関連を解明する。 被験者リクルートは、想定外に高齢者の確保が困難であった上に、COVID-19のため苦渋を極めた。研究遂行上高齢者の脳機能MRI (fMRI)撮像が不可欠なため、工夫と努力を重ね地道に被験者を増やした。さらに官能評価とfMRIに用いるシステム(Goto, et al. 2015)の改良、新規最先端MRI装置の撮像法、味溶液の濃度と提供秒数、再現性実験など、fMRIにおいて最も時間を要し困難である実験系の確立のために多くの予備実験を遂行した。その後の本実験において以下の結果を得た。 (1) 舌で味わう官能評価において、高齢者(60~70歳代)は若年者(20~30歳代)と比較し、低くゆるやかに塩味を認知していた。(2) 脳を評価するfMRIにおいて、高齢者は塩味の強さに関わる脳活動領域と活動量が若年者と比較し低かった。 これらの結果の生理学的意義について考察し、講演、学位論文、論文発表を行った。また、(3)酸味、嗅覚、風味に関わる脳機能のネットワークについても論文発表を行った。大学院生や研究補助者などの人員確保により、甘味およびうま味のための実験もすすめている。市民向け解説や執筆、食品展への貢献など社会貢献につながる活動も行った。今後も研究を継続していく。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)