2017 Fiscal Year Annual Research Report
Evolution of Disaster Nursing for Resolving Global Issues and Leading to the Paradime Shift
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17H04435
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
南 裕子 高知県立大学, 看護学研究科, 特任教授 (70094753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片田 範子 関西医科大学, 医学部, 教授 (80152677)
山本 あい子 兵庫県立大学, 地域ケア開発研究所, 教授 (80182608)
神原 咲子 高知県立大学, 看護学部, 准教授 (90438268)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 災害看護実践 / グッドプラクティスのインディケーター / 災害看護のグローバルアジェンダ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、2015年に採択された「仙台防災枠組2015-2030(仙台防災枠組)」を中心として、持続可能な開発目標などの災害看護に密接に関連しているグローバルアジェンダの分析および国内外の災害看護の現状と国内外のステイクホルダーとのコミュニケーションを通して、グローバル社会に必要とされる災害看護領域を特定するとともに看護実践での役割を明確にし、”安全・安心なコミュニティに資する災害看護”のパラダイムシフトとして国内外の看護領域に涵養することを目的としている。 平成29年度は関連資料の蓄積と整理によるグローバルアジェンダと看護の概観を行うことを計画し、具体的は①国内外で取り組まれた災害看護について、データ化することを計画して、実際にインドネシア大学の教員たちと「災害発生後の看護職が行ったgood practiceのindicatorsを抽出し、日本とインドネシアとの比較を通して共通するgood practiceのindicatorsを確定する」共同研究を行った。平成29年9月に神戸でインドネシア側の報告を受けた。それをもとに日本では、東日本大震災時の看護職が実際に何をしたかを著した「ナース発 東日本大震災レポート」を対象として117件の報告を分析した。 計画②の災害看護の現状と役割の関係を特定することについては本研究組織のメンバーで文献分析や議論を行った。計画③のグローバルアジェンダからみた看護の寄与すべき課題の特定については、平成29年仙台で行われたいわゆるダボス会議に参加し、情報交換を行った。 平成30年度は、①の成果を公表するとともに、③の計画については10月のドイツにおける世界災害看護学会に参加し、世界における災害看護学のステークホールダーへのインタビューを行い、グローバルアジェンダにおける看護の課題を明らかにする研究を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時には具体的な計画にはなかったインドネシア大学との共同研究が良く進展し、それによって平成29年度の計画に基いておおむね順調に進展している。29年度の成果を世界災害看護学会に発表したり、誌上発表する作業が残っている。 平成30年度に計画していた世界のステークホールダーとの面接計画を前倒しで始めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は国内外のステークホールダーを対象としてグローバルアジェンダに対する災害看護の進捗状況を調査することが主となる。10月の世界災害看護学会とその前後に災害看護学の専門家はもとより他関連分野の主要な研究者や国連関係者等との情報交換により、俯瞰的視野からデータの考察ができると考えている。 国内では2016年に行った「災害看護の優先的で緊急課題の特定」のフォローアップ研究を行う予定である。2016年ころには災害看護学の研究者が少なく、研究協力者を得ることが難しかったが、それ以後の状況では研究協力者の数は確保できると考えている。 今年度はweb上でのオンラインダイアログを計画しているが、web上の環境づくりが課題となろう。
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