2019 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of the speed-feedback therapy on cancer therapy-related cognitive impairment in patients with breast cancer: Mixed-methods study in the United States and Japan
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17H04440
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮下 美香 広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (60347424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国府 浩子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (70279355)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | がん / 認知機能障害 / 運動療法 / 国際共同研究 / 混合研究法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本と米国において認知機能の変化を自覚する乳がん患者に対し、がん患者用に開発した装置を用いた認知トレーニング(運動療法)を実施し、量的研究と質的研究を統合する混合研究法を用い効果の全体像を多面的に明らかにすることである。 令和元年度は、主たる研究機関である広島大学の研究倫理審査委員会の承認を得て、7月より研究参加者のリクルートを開始した。令和2年3月末日時点で25名の研究参加者を得た。共同研究施設である熊本大学においても研究倫理審査委員会の承認を得て令和2年2月より研究参加者のリクルートを開始し、3月末時点で6名の研究参加者を得た。また、米国の共同研究施設であるカンザス大学において8月に研究倫理審査委員会の承認を得た後、広島大学と共同研究契約の締結を行い、研究参加者のリクルートを開始した。令和2年3月末日時点で10名の研究参加者を得た。米国の共同研究施設であるパーカーアドベンティスト病院については、研究倫理審査委員会の承認を得ていないが、研究協力者へ説明し準備を進めた。 本研究では、各国で4週間、認知トレーニングを実施し、認知トレーニング開始前、終了時点、終了後3か月の3時点において効果を評価する計画である。広島大学では装置のトラブルのため遅延したことが1回あったが、研究参加者に有害事象が生じることなく計画どおりに進行し、研究参加者より好評を得た。カンザス大学においても研究参加者の評価は良好だった。しかし、装置のトラブルのため研究が一時停滞した。そのため、令和2年2月に研究代表者が学会参加のため渡米した際、広島大学で使用していた装置2台とカンザス大学で使用し不具合が生じた3台を交換した。その後、トラブルはなく研究は進行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請時の予定どおり、令和元年度に研究参加者のリクルートを行い、介入、データ収集を行った。各研究施設における研究参加者のリクルートは順調であり、昨年度の遅れを取り戻すことができたと考える。カンザス大学で使用していた装置に不具合が生じたが、広島大学で使用していた装置と交換したため、研究の進捗に大きな影響はなかった。米国から日本へ持ち帰った3台の装置を業者が修理し、令和2年4月より使用できる予定である。しかし、令和2年3月末日時点において、新型コロナウイルス感染症の流行のため研究参加者のリクルートを中断していることから、やや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の流行状況を踏まえ、研究倫理審査委員会の指示に従い、研究参加者のリクルートを再開し、介入、データ収集を目標症例数(各国介入群30名、対照群30名)に達するまで行う。米国のパーカーアドベンティスト病院については、研究倫理審査委員会の承認を得た後、広島大学との共同研究契約の締結を行い、研究を開始する。研究参加者が目標症例数に到達し、データ収集を完了した時点で、各国において分析を行う。分析では、量的データに対し、ベースラインから4週間後(介入直後)の変化量の平均値を群間比較(t-検定もしくはWilcoxonの順位和検定)し、さらに介入後3か月の時点を含めた3時点の変化を群間比較(反復測定分散分析)する。質的データについては、各研究参加者のベースラインの状況を記述し、4週間後(介入直後)の状況と比較することにより、介入効果の記述と量的データ分析結果の説明を行う。また、日本と米国の量的データ分析の結果を比較(t-検定もしくはWilcoxonの順位和検定)することにより、日米間の違いを検出する。さらに、各国において量的データの分析結果、質的データの分析結果を統合した上で、両国の分析結果を統合することにより、最終的な分析結果を得る。その後、英文誌への投稿を目指し、論文化を進める。
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