2019 Fiscal Year Annual Research Report
慢性看護学領域で構築された理論の概念・立言・理論分析および経験的検証、仮説検証
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17H04442
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Research Institution | Japanese Red Cross Hokkaido college of Nursing |
Principal Investigator |
河口 てる子 日本赤十字北海道看護大学, 看護学部, 教授 (50247300)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 慢性看護 / 患者教育 / 慢性疾患 / 理論分析 / 概念分析 / 看護 / 教育的関わり / モデル開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的の第1は、慢性看護学領域において患者教育・ケアに関する主たる概念・モデル・理論を抽出し、その理論分析を行うことである。そこで実践知モデル・理論である「看護の教育的関わりモデル」「病みの軌跡理論」「不確かさ理論」「保健信念モデル」など中範囲理論に関して、理論を構成する概念を抽出し、概念分析を開始した。「看護の教育的関わりモデル」では、その構成概念「とっかかり/手がかり言動とその直感的解釈」「生活者としての事実とその意味のわかち合い」「病態・病状のわかち合いと合点化」「治療の看護仕立て」「教育的関わり技法」「患者教育専門家として醸し出す雰囲気」の概念分析し、とっかかり、手がかり、直観および直感、生活、生活者、患者教育の概念を選び、各概念の学問分野、文献収集範囲等を決定した。概念分析は、概念の用法を明らかにする、概念を定義づける属性を明らかにする、モデル例を明らかにする、補足例を明らかにする、先行要件と結果を明らかにする、経験的指示対象を明らかにすると研究者23名、直接分析者各概念6~7名で実施終了した。また、専門看護師等の実践看護師への経験的検証作業を実施し、臨床的成果等の検討を行った。 同様に、「病みの軌跡理論」では、その構成概念「慢性性Chronicity」「軌跡」「病みの行路」「軌跡の局面」「下位局面」「軌跡の予想」「病みの行路の方向づけ」「編みなおし」「生活史」があり、下位局面には「前軌跡期」「軌跡発現期」「急性期」「安定期」「不安定期」「下降期」「立ち直り期」がある。構成概念の概念分析として、慢性性、軌跡、病み、行路、局面の概念を選び、各概念の学問分野、文献収集範囲等を決定し、概念分析を終了した。 仮説検証に関しては、概念間の関係を明らかにする具体的研究計画を作成しているがし、研究倫理委員会に出す予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、慢性看護学領域において患者教育・ケアに関する主たる概念・モデル・理論を抽出し、その理論分析を行うことであり、実践知モデル・理論である「看護の教育的関わりモデル」「病みの軌跡理論」「不確かさ理論」「保健信念モデル」など中範囲理論の概念分析を実施することを決定し、概念分析および経験的検証作業を実施した。「看護の教育的関わりモデル」および」「病みの軌跡理論」は順調に分析を実施しているが、他の「不確かさ理論」「保健信念モデル」は上記2理論に時間と手を取られて全体的に遅れぎみであった。現在は、「看護の教育的関わりモデル」の仮説検証研究に着手しており、概念間の関係検証計画の実施予定であるが、新型コロナウイルス感染増大のため、病院は手一杯で研究実施は実施できずにいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、概念分析・理論分析作業を理論単位、概念単位にグループ分担し、精製・充実をはかる。「看護の教育的関わりモデル」の仮説検証研究では、仮説検証というより概念間の関係検証計画とし、計画の精製を図る。研究実施のためには、病院での看護師を対象とした調査研究が不可欠であるが、現在新型コロナウイルス感染増大のため、病院は手一杯で研究実施はコロナ感染収束まで実施できそうもない状態で、様子見である。
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