2018 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の入浴事故防止に向けた生活指導ガイドラインの作成
Project/Area Number |
17H04456
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
橋口 暢子 九州大学, 医学研究院, 教授 (80264167)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄山 茂子 福岡女子大学, 国際文理学部, 教授 (40259700)
栃原 裕 九州大学, 芸術工学研究院, 名誉教授 (50095907)
樗木 晶子 九州大学, 医学研究院, 教授 (60216497)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高齢者 / 入浴事故 / 生活指導 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、入浴事故防止に向けた予防行動を促進、阻害する要因を明らかにするために、在宅にて自立して生活する男女高齢者100名を対象に面談法にてアンケート調査を行った。平成30年度は、そのアンケート調査で得たデータの解析を行った。その結果、高齢者は、入浴事故に対する認知度は高いものの、実際に予防行動をとっている人は7割であったこと、予防行動の実践には、入浴事故に対する脅威や重大性の認知ではなく、体調不良の経験、入浴予防行動に関する知識を有すること、実践継続への自信があるとする自己効力感の関与が示唆されたことなどの研究成果が得られ、入浴事故防止に向けたガイドライン作成の基礎資料となる結果を得ることができた。また、これらの研究成果については、国内の学会(第77回日本生理人類学会)や国際シンポジウム(Hong Kong University Nursing Form 2018)において発表を行った。また、アンケート調査対象者を追加することで、さらに信頼性の高い研究成果が得られると考えられたため、平成30年度は、平成29年度と同様のアンケート調査を対象者を100名(男女高齢者)追加して行った。調査内容は、1)対象者の基本属性(性別、年齢、居住形態、治療中の病気など)、2)居住環境(住居タイプ、築年数、脱衣室・浴室暖房の有無など)、3)入浴習慣・入浴方法(1週間の入浴回数、入浴時間、好みの湯温、入浴中や入浴直後の体調悪化経験の有無など)、4)入浴事故について(入浴事故の認知、入浴事故の脅威認知、入浴事故の危険性認知など)である。対象者200名分の研究成果発表のため、現在データ解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた研究結果の分析、成果発表ができた。また、追加調査についても予定通り実施することができた。しかし、データ解析まで終了することができなかったので、これに関しては、次年度に持越しで実施することになった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度(2019)は、平成29年、30年で得た研究結果の分析、成果発表を行うとともに、高齢者の皮膚温度感受性の実態と入浴習慣の関係についての基礎研究として、若年者を対象に下記の内容で研究を行う。 皮膚温度感受性評価: 1)対象者:健康な若年者30名程度 2)方法:被験者は、測定用の着衣(半袖Tシャツ、短パン)に更衣し、測定の準備等が終了したのち、室温28℃、相対湿度50%の環境に30分滞在してもらう測定部位は、前額部、腹部、前腕、手背、大腿、下腿、足背の7部位とし、温覚、冷覚それぞれ3回ずつ測定する。また、皮膚温度感受性の評価をする際の基礎データとして、実験室入室直後から測定終了後まで、閾値測定部位と同様の身体7部位の皮膚温(データロガLT8A・日機装)を連続測定する。温冷覚閾値測定は、汎用型温冷覚閾値測定装置(インタークロス社製)を用いて行う。プローブを測定部位に当ててプロ-ブの温度が接触部の局所皮膚温と等しくなった後、高温または低温に変化させる。この時のプロ-ブの温度変化速度は、0.1℃/秒とする。プローブ温度を変化させて、被験者が冷覚・温覚を感じた時点で自覚スイッチを押してもらい、この時の皮膚表面の温度変化をもって温覚冷覚閾値とする。アンケート調査:皮膚温度感受性評価試験への参加者を対象に、普段の入浴習慣(頻度、湯温、入浴時間 浴室、脱衣室の温熱環境など)、入浴中にともなう事故に対する認知等について、質問紙を用い調査する。
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Research Products
(3 results)