2018 Fiscal Year Annual Research Report
外来患者の在宅療養支援に向けた対処方策の開発とシステム化
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17H04465
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
永田 智子 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 教授 (80323616)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 外来 / 継続看護 / 在宅療養支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
外来看護師の電話による支援の実施状況および支援内容を明らかにするための調査を実施した。 A大学病院の外来師長を除く、全ての外来看護師98名を対象に自記式の記録調査を実施した。調査期間は平成30年8月27日~9月14日の平日15日間であり、外来看護師に記録を依頼した内容は、外来看護師の患者・家族との電話対応であった。記録の負担を軽減するため、予約変更や1~2分程度の業務連絡の記録は不要とした。記録用紙では、電話対応の通話相手、患者の性別や年齢、主疾患、電話の主訴は選択肢を設けて尋ね、支援内容は自由記載欄に記述して貰った。分析方法は、支援内容以外の各項目については記述統計を算出し、支援内容は内容分析を参考に分析を行った。 記録調査票は98名に配布し、88名の協力が得られた。15日間の調査期間中に対象者が対応した総電話件数は延べ920件、総電話時間は7501分であった。電話対応件数が0件であった対象者は35名いた。また、外来看護師1人が対応した電話件数の平均は17.6件[範囲:1-114]で、1件当たりの電話時間の平均は8.4分[範囲:1-80]であった。通話相手の72%が患者本人・家族であり、電話の主訴は多かった順に、患者の身体症状に関する相談(57%)、受診についての相談(31%)、服薬・薬に関する相談(16%)であった。 在宅療養生活を送る患者本人・家族にとって、電話は重要な相談ツールであることが明らかとなった。また、患者の身体症状に関する相談や、受診や服薬についての相談が多かったことから、電話という患者を直接見ることができない状況において、患者の症状アセスメントや支援を行えるスキルを高めることの必要性が示唆された。また、今後は、日々多忙な外来看護師が患者・家族からの電話相談に応じられる組織体制づくりも重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
病院の外来における患者と看護師への調査を計画していたが、他の病院での実施が人員配置の問題等のために困難で、今年度は外来での電話調査のみの実施となった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、外来患者のニーズと看護師のアセスメントとの合致を見るための外来患者調査を複数の病院で実施することを検討し、看護師によるアセスメントの妥当性について検討する必要がある。
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