2017 Fiscal Year Annual Research Report
The development of a comprehensive migration support programs for caregivers of children and young people who suffer from trauma
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17H04469
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
花田 裕子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (80274744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永江 誠治 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (50452842)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | トラウマ / 子ども / 里親 / 養護施設職員 / 養育的かかわり |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画フェーズ1の計画に沿って「複雑性トラウマを抱えた子どもの理解とかかわり方」の2日間の研修を、9月19日より那覇・青森・長崎・新上五島・東京の5か所で各2日間、講師にJean Carpenter-Williams. MS, CYC-P(University of Oklahoma Outreach)を迎えて実施した。参加者は、那覇は里親、里親支援員等17名、青森は里親のみ5名、長崎は集団ケア施設スタッフ6名、上五島は養護施設職員10名、東京は里親5名看護師1名の参加者であった。研修の内容は、乳幼児期のトラウマ体験が脳に与える影響と問題行動を起こしているとき、穏やかな時の脳の活性化の5つの段階と現象的にはどのように認識されるのか、トラウマの影響による子どもの問題行動と支援者が陥る傾向に気づくための演習、及びこのような子どもたちへの社会心理的なアプローチと養育的アプローチについて具体的な説明と演習であった。多くの場合、実際にケアしている子どもにはどうアプローチするのが良いのかという質問があった。首都圏では類似する研修も受講可能であり、類似する研修を受けていることで今回の研修内容も理解しやすいという意見があった。一方で地方都市では地域特性はなく必要と感じている研修が全くないという意見が等しくあった。参加者の子どもに対する認識や研修内容への親和性には地方特性なのか個人特性なのか、その両者が影響していると推測される違いがあった。また、児童相談所との関係がうまくいっている(平等な関係で)地域では、里親間の交流も多く里親支援員との信頼関係も深まっていると話す参加者が多かった。参加者から研修内容については好評であったが一部里親としては、専門的すぎるので難しいという意見も数名からあった。その都度研修内容を微調整しつつ、日本の現状に合ったコンテンツになるように毎回検討を重ねることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書の予定通りに準備が進み、参加者の確保、会場の確保、予定した米国からの講師による地域特性の違う5か所の会場で、6名程度の参加者で研修会を開催することができた。参加者から研修内容については好評であったが一部里親としては、専門的すぎるので難しいという意見も数名からあった。その都度研修内容を微調整しつつ、日本の現状に合ったコンテンツを精選することができた。SKYPEでのフォローアップは、現実的には難しく、多忙なこと、家庭でのできごとによっては時間を調整して相談に至らないないようであった。 研修前後の尺度によって、ある程度の効果と満足度が得られていることが明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
①5月にフォローアップ研修を同じ対象に実施する。フォローアップ研修は、昨年度の研修内容を踏まえて、子どもとかかわったことで生じた疑問や、質問、子どもとの関わり方の具体的なフォローを行う。それによってより研修内容が実用性のあるものとして参加者が使える知識やスキルとなることを目的とする。 ②半年間のプログラム終了後に尺度と自由記載による評価を行う。 ③希望があった、児童精神科病棟で働く看護師を対象に研修を研究者2名で2日間実施(横浜) ④リクエストがあった、岐阜県児童家庭センターから依頼された里親と養護施設職員を対象として、宮古島および石垣島の離島の里親対象の研修を研究者2名で実施する。 ⑤今回の取り組みを、日本版トラウマを抱える子どもの理解とかかわり研修のプログラム開発について30年7月にプラハで開催される世界児童青年精神医学とその関連領域学会で発表を行う。
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