2017 Fiscal Year Annual Research Report
環太平洋島嶼国における地域の文化に即した全人的災害時保健活動モデルの構築
Project/Area Number |
17H04470
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
丸谷 美紀 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50442075)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高瀬 佳苗 福島県立医科大学, 看護学部, 教授 (20455009)
塩満 芳子 鹿児島純心女子大学, 看護栄養学部, 講師 (30609730) [Withdrawn]
上林 美保子 岩手県立大学, 看護学部, 教授 (40305256)
奥田 博子 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (50294236)
原田 奈穂子 宮崎大学, 医学部, 教授 (70637925)
安齋 由貴子 宮城大学, 看護学群(部), 教授 (80248814)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 災害保健活動 / 文化看護 / 島嶼国 |
Outline of Annual Research Achievements |
東日本大震災(岩手県、宮城県、福島県)、土砂災害(東京都大島町)、豪雨災害(兵庫県福知山市)、熊本地震(熊本県御船町)の、被災地保健師18名、住民13名、応援保健師15名へインタビューを行った。調査内容は、地域の文化に即した災害時保健活動、住民の自助互助、保健師の変化について聞き取り、被災後の生活の場の変化によって、「緊急対応期」「避難所生活の時期」「仮設住宅等へ入居の時期」「復興住宅等へ入居の時期」へに時系列に分類した。 被災地保健師は「緊急対応期」は、住民のつながりを活用して安否確認や救護を行い、「避難所生活の時期」には、生活習慣に配慮したり変容を促し、また関係性の功罪に配慮していた。「仮設住宅等へ入居の時期」には、住まい方に配慮したり、生きがいが維持できるよう支援していた。「復興住宅等へ入居の時期」は、つながりの再建に努めていた。時期を通じて、つながりや世界観に即した犠牲者の遺族への連絡・霊的ケアを行っていた。 住民は「緊急対応期」は日常の経路を活用して避難し、「避難所生活の時期」には、家事物品の共有により生活を整え、「仮設住宅等へ入居の時期」にも物品の共有を継続しながら関係を保っていた。「復興住宅等へ入居の時期」には、つながりの再建、住まい方の再建をしていた。時期を通じて、先祖とのつながりの回復が見られた。 応援保健師は、「緊急対応期」は、つながりを把握して対応、「避難所生活の時期」は、保健師や役場との関係性を崩さない配慮、「仮設住宅等へ入居の時期」は、言葉の違いを活用した関係づくりが得られた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日本国内の被災地保健師、住民、応援保健師へインタビューを行ったが、豪雨災害(茨城)は、日程調整が難航し、調査が平成30年度になる。そのため、分析が一部進まず、平成29年度末の専門家会議が平成30年度に延期となる。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に実施予定だった豪雨災害(茨城)は、日程調整が難航し、平成30年度に実施する。その結果を含めて国内調査結果について分析し、専門家会議を行い、地域の文化に即した全人的災害時保健活動の日本版の素案を作成する。 年度後半は、フィリピン大学と協働してフィリピンでの被災地保健師、住民、応援保健師へインタビューを行う。フィリピン大学倫理審査承認後、複数地区に訪問し、調査を行う。 フィリピンと日本の調査結果を踏まえて、国内外の災害保健活動の専門家を招聘し、助言をいただき、地域の文化に即した全人的災害時保健活動の日本版とフィリピン版の素案を作成する。
|