2017 Fiscal Year Annual Research Report
Field survey for modeling of methylmercury dynamics at mercury pollution hotspot from gold mining
Project/Area Number |
17H04478
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
矢野 真一郎 九州大学, 工学研究院, 教授 (80274489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松山 明人 国立水俣病総合研究センター, その他部局等, その他 (00393463)
田井 明 九州大学, 工学研究院, 准教授 (20585921)
木村 延明 九州大学, 工学研究院, 学術研究員 (40706842) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 水銀 / 水銀動態モデル / スラヴェシ島 / メチル水銀 / 金鉱山 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年11月16日から11月20日の行程で,調査実施エリアとなるインドネシアのマナド市にあるTotok湾とBuyat湾ならびに両湾に注ぐ河川の流域の視察,ならびに研究協力者のサムラツランギ大学Herawaty Liogilang博士との研究打合せを行った.観測船の確認や船長との協議により現地調査における実施可能性の検討を行った.また,の現地視察の結果を受けて,2017年12月28日に国内メンバーによる第1回研究打合せを実施し,現地調査の計画の詳細を調整した. 2018年3月11日から3月18日の行程で第1回現地調査を以下の通り実施した.今回は対象海域である半閉鎖性内湾のTotok湾と開放性内湾のBuyat湾において,それぞれ5箇所の観測地点を設定し,表層水(海面下6m)と底層水(海底上1~2m)からニスキン採水器により1Lの海水サンプリングを実施した.よって,計20サンプルの採水を行った.また,採水と同時に持参した多項目水質計により塩分・水温・溶存酸素濃度などの鉛直分布測定を実施した.観測地点には持参したハンディGPSであらかじめ設定した座標位置へ誘導した.観測地点の水深は持参した超音波式測深機で測定した.採水サンプルは,観測終了後直ちに0.4μmのガラスファイバーフィルターを用いて濾過を行い,その後高濃度の硫酸(H2SO4)を3mL添加して常温で日本へ持ち帰った.濾紙についても参考資料として持ち帰った.使用した容器は酸処理したガラス製容器である.帰国後,海水中の総水銀濃度とメチル水銀濃度の測定を行った.得られた結果としては,Totok湾において総水銀濃度が0.40-1.50ng/L,メチル水銀濃度が0.02ng/L以下,一方,Buyat湾では総水銀0.34-0.66ng/L,メチル水銀濃度が0.02ng/L以下となっており,閉鎖性の強いTotok湾で高濃度であった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,国内メンバーとの研究打合せ,対象フィールドであるインドネシアのスラヴェシ島マナドのサムラツランギ大学メンバーとの研究打合せと現地視察,ならびに第1回現地調査を順調に遂行することができており,おおむね順調に研究が進展していると判断できる.
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Strategy for Future Research Activity |
残りの2年間(平成30~31年度)で,計3回程度の現地調査を実施する予定であるが,特に平成30年度においては,対象海域であるBuyat湾とTotok湾において底泥のサンプリングを行い,底泥中水銀濃度の測定を実施する.さらに,Buyat川とTotok川の流域内で河道周辺の堆積物採取を行い,残留水銀濃度の測定を加えて実施する. 平成29年度(平成30年3月)に実施した現地調査では,海水サンプリングと塩分・水温等の測定を行ったが,雨季に近いシーズンであったものの顕著な密度成層構造は確認されなかったことから,当初想定していた河川水の流入に起因する海水中水銀のメチル化現象の確認が確実にできるような観測計画を作成する必要がある.
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