2018 Fiscal Year Annual Research Report
Field survey for modeling of methylmercury dynamics at mercury pollution hotspot from gold mining
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17H04478
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
矢野 真一郎 九州大学, 工学研究院, 教授 (80274489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松山 明人 国立水俣病総合研究センター, その他部局等, 部長 (00393463)
田井 明 九州大学, 工学研究院, 准教授 (20585921)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 水銀 / 水銀動態モデル / スラヴェシ島 / メチル水銀 / 金鉱山 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年10月12日から10月15日の行程で,研究代表者の矢野がインドネシアのマナド市を訪問し,サムラツランギ大学のHerawaty Riogilang博士と前年度の調査結果の報告,ならびに2018年度の調査計画についての打合せを実施した.日程調整を行い,2017年度と同様に3月に現地調査を実施することと決まった.また,予備日を使って,Totok川とBuyat川上流に位置する小規模金鉱山周辺から河口までの区間で河道での堆積物を採取できる地点の選定を行うこととした.また,計2回日本側メンバーによる研究打合せを実施し、方針を確認した. 2019年3月21日から3月27日の行程で,日本側メンバー3名でマナドを訪問し,第2回の現地調査を実施した.前年度利用した観測船が修理中とのことで,今回はより小さい型の漁船をチャーターしたが,小型であることから海象の影響を受けるため,予定日を1日ずらしての調査となった.そのため,当初の予定日(3月23日)は,Totok川とBuyat川における金鉱山周辺の視察と鉱山から河口までの間での底質サンプリング地点の選定をおこなった.その結果,適地の選定ができ,それぞれの河川で4~5箇所の採泥を次年度に実施する計画を立てた.翌,3月24日に早朝から午後3時頃まで対象海域である半閉鎖性内湾のTotok湾と開放性内湾のBuyat湾において,それぞれ5箇所の観測地点を設定し,表層水(海面下6m)と底層水(海底上1~2m)から1Lの海水サンプリング計20サンプルの採水を行った.また,多項目水質計により塩分・水温・溶存酸素濃度などの鉛直分布測定を実施した.採水サンプルは日本へ持ち帰り測定した.昨年同様,Totok湾がBuyat湾より高い水銀濃度を示したが,これは水銀の流出が多いためであると推測された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,国内メンバーとの研究打合せ,対象フィールドであるインドネシアのスラヴェシ島マナドのサムラツランギ大学メンバーとの研究打合せと現地視察,ならびに第2回現地調査と河川流域の調査地点選定を順調に遂行することができており,おおむね順調に研究が進展していると判断できる.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年(2019年度)で,計2回程度の現地調査を実施する予定である.うち1回では,対象海域であるBuyat湾とTotok湾において底泥のサンプリングを行い,底泥中水銀濃度の測定を実施する.さらに,Buyat川とTotok川の流域内で河道周辺の堆積物採取を行い,残留水銀濃度の測定を加えて実施する計画である. これまでの2年間で実施した現地調査では,海水サンプリングと塩分・水温等の測定を行ったが,雨季に近いシーズンであったものの顕著な密度成層構造は確認されなかったことから,当初想定していた河川水の流入に起因する海水中水銀のメチル化現象の確認が確実にできるように雨季を狙った観測計画を立てる予定である.
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