2018 Fiscal Year Annual Research Report
Survey on Spread Status of Uitemate, Drowning Prevention Education originated from Japan, in ASEAN Resion
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17H04496
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
田村 祐司 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (10242322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永原 順子 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 助教 (30455224)
鈴木 哲司 帝京平成大学, 健康メディカル学部, 准教授 (40406707)
大湊 佳宏 長岡工業高等専門学校, 一般教育科, 准教授 (70413755)
斉藤 秀俊 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (80250984)
犬飼 直之 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (80293249)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 水辺安全教育 / 東南アジア / 水辺安全伝承 / 背浮き教育 / 水難と宗教 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度調査は、第1回目として、平成30年10月26日から10日間、イスラム教徒の多いインドネシアのバリ島、ジャワ島(ジャカルタ)、バタム島の3地域にて調査を行った。第2回目は、平成31年3月4日から7日間、仏教徒の多いタイの数地域にて調査を行った。 インドネシア調査のカウンターパートは、インドネシア国家救難庁であり、国家救難庁が小学生や一般市民に行う水辺サバイバル普及教育活動の実態調査のヒヤリングを行った。また、ジャカルタのプールとバタム島の海岸において、背浮きによる水上でのサバイバル技能講習会を行い、同時に、受講者に対し、インドネシアの水辺安全教育実態や水辺安全に関する神等の民俗伝承についてのアンケート調査を行った。 タイ調査では、まずバンコク郊外のNAKHON県では、Ratchasima Rajapat University 近くのプールにおいて、タイライフセービング協会主催のサバイバルスイミング講習会を視察し、タイ国で普及されている水難サバイバル泳法を視察した。次に、Ratchasima Rajapat Universityカルチャーセンターにおいて、民俗学研究者とタイにおける水神伝承のヒアリングを行った。 そして、タイ東部のNAKHONおよびSURIN両県において、複数の幼稚園、小学校、病院を訪問した。タイ国では水難事故防止のために保健省が行政力を発揮しており、幼児・初等教育の場に病院スタッフや仏教団体がボランティア指導員として出入りしている。彼らの行う水辺安全プログラム視察とヒアリング調査、およびアンケート調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東南アジアで年間30万人以上が、洪水・高潮・津波等の水災害で犠牲になる中で、水害から命を守るの「背浮き」技能の普及のために、「背浮き」泳法指導員の養成活動が、2012年から、スリランカ・タイ・マレーシア・インドネシア・フィリピンで始まった。 その背浮き泳法による水辺安全文化と技能の普及実態の追跡調査と、仏教・イスラム教・キリスト教等の相違なる他宗教民族を有する東南アジアの国々で、水神に関わる民俗学的伝承の比較研究を行うことが平成29年度からの3年間の研究である。 平成29年度は、キリスト教徒の多いフィリピンと仏教徒の多いスリランカ、平成30年度は、イスラム教徒の多いインドネシアと仏教徒の多いタイでの調査が、水辺安全指導プログラム授業視察と、指導実態や水辺安全に関わる民俗・宗教観についてのヒアリング調査とアンケート調査が、おおよそ予定通り行われた。 なお、4か国での調査においては、タイとスリランカでは、現地の指導現場を視察できたが、インドネシアとフィリピンでは、指導現場の視察ができなかった。 そして、過去2年間に実施したアンケート調査が分析途中のため、小学校での水泳教育が行われていない東南アジア各国の背浮き教育普及実態と各国の水辺安全と民俗・宗教観について、現段階ではまとめきれていない状況である。早急に2年間のアンケート調査を分析検討と各国のカウンターパートへの補足ヒアリングを通して、各国の水辺安全の普及状況、特に背浮き教育普及実態の概要を確認したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
3年間研究の最終年度にあたる令和元年は、11月にイスラム教徒の多いマレーシアを視察し、背浮きを含む水辺安全教育の普及実態と水辺安全に関する民俗宗教的文化について、マレー半島のクアラルンプールとボルネオ島北東部のサバ州コタキナバルにて、水辺安全教育授業視察とヒアリング調査とアンケート調査を行う予定である。 そして、コタキナバルにて、溺水予防国際ワークショップを開催する。ワークショップでは、過去2年間に訪問したフィリピン・スリランカ・インドネシア・タイにおける背浮き普及状況やそのプログラム内容、水難予防に関する伝承を通した宗教観の比較検討の研究結果をはじめ、水防災の観点から溺水予防教育の現状と課題について、各国の水辺安全普及教育活動のリーダーに発表してもらい、東南アジアにおける水防災教育と溺水予防教育の在り方について総括的に議論する。 最終的には、現段階での東南アジア各国における背浮きによる浮いて救助を待つ溺水予防泳法の普及教育状況を把握し、各国で水辺安全教育普及としての背浮きによる溺水予防泳法の普及プログラムを現地のリーダーと相談しながら構築したい。そして、現地の水域環境や教育事情に合わせた、背浮きを中心とした水辺安全教育普及社会教育システムモデルを各国の行政や消防や海難救助隊とも連携して、国家全体で検討できる具体的提言をしていきたいと考えている。
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