2018 Fiscal Year Annual Research Report
発展途上にあるモンゴル国の子どもの身体発育加速化現象とスポーツ医科学の学術調査
Project/Area Number |
17H04499
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
橋爪 和夫 富山大学, 人間発達科学部, 教授 (80189472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 雅昭 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (10187049)
中澤 理恵 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (40455952)
中 比呂志 京都教育大学, 教育学部, 教授 (00217639)
井上 邦子 (松田邦子) 奈良教育大学, 保健体育講座, 准教授 (40278239)
大森 聡 富山短期大学, その他部局等, 講師 (90587049)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | モンゴル国 / 発育発達 / 体力 / 栄養 / パラリンピック / 生活健康 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は発展途上国でありながらもグローバル化が急速に進むモンゴル国の子どもの体格・体力・運動能力・生活健康の縦断的調査を行うことである。また、オリンピック・パラリンピック競技者を発掘するための調査である。 本研究は、5年間の研究の2年次であった。9月に①1年次の縦断的調査としてウランバートル市第28学校とドルノド県チョイバルサン市第12学校の子供の身長、体重、生活健康調査を実施した。チョイバルサン市第12学校では、これまでの中間報告を行った。また、新たにアルハンガイ県学校の子どもについて同様の調査を実施した。②本年度は栄養調査を開始した。①の調査校のうち中学2年生の24時間の栄養調査を実施した。子どもが紙媒体で個々の飲食物の名称と重量を計測し、さらに子ども自身がデジカメで飲食物を撮影した写真を食品分析表で解析した。食品分析表は日本国のものを用いた。また、スポーツ医学の分野の栄養に関する問題点を把握するために体育学生5人の3日間の栄養調査を実施した。大学生は3日間の全ての摂取物の名称と重量と写真を記録した。記録されたものから食品分析表を用いて摂取カロリー、摂取栄養素を分析し学生に改善点を提示した。 モンゴル国立教育大学体育学部のスポーツ医学担当教員を10月から12月までの3ヶ月間富山大学に招へいしてアダプテッドスポーツ、パラリンピックに関する共同研究を行った。特に、パラリンピック柔道について重点的に調査し、日本アダプテッド体育・スポーツ学会で発表した。 12月にモンゴル国立教育大学体育学部で教員や修士の学生及び一般市民を対象として研究代表者橋爪和夫と研究協力者山地啓司が運動生理学の演習を行い、そのデータの活用方法も含めて山地啓司研究協力者が体育・スポーツに関する集中講義を行った。また、モンゴル国立教育大学体育学部の5人のスポーツ専攻学生の栄養調査の結果について報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の調査目的のひとつである子どもの遊びに関する調査とスマートフォンなどを用いたインターネットの使用の実態に関する調査が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究3年次(2019年度)は初年度からの調査対象者を継続的に行う。個人の発育発達の追跡調査は、測定精度を高めることに繋がる。調査項目にできるだけ、インターネットに関する情報機器関連項目を追加する。これは、モンゴル国の発展途上の実状把握と子供が社会文化から受けている影響を査定するためである。また、モンゴル国の伝統遊びや運動・スポーツの実状の調査を始める。インターネット関係の調査は本研究で遅れている領域である。 モンゴル国のオリンピック・パラリンピックに関する調査で、医科学的研究の共同研究を始める。具体的には、モンゴル国のオリンピック・パラリンピックの柔道指導者を2019年9月に日本に共同研究者として招へいする。 モンゴル国が発展しているなかで、人間の身体感に関するとらえ方について調査を開始する予定である。これまで準備しているスポーツ障害に関する調査も実施する。
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