2017 Fiscal Year Annual Research Report
Fundamental Study on the Soviet Far East under Stalin's Rule
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17H04502
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺山 恭輔 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (00284563)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | スターリニズム / ソ連極東 / 政治局 / 満洲国 / 対日政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はソ連共産党中央委員会政治局による1920年代の諸決定のうち、極東政策に関する決定を網羅的に明らかにすることができた。その決定を京都大学で開かれた学会で発表するとともに、学術雑誌『二十世紀研究』に追加情報を加えて発表することができた。ソ連極東の党、革命委員会、執行委員会(ソヴィエト)といった地方組織へ派遣する人材をモスクワの党中央がいかなるプロセスによって選抜していたのかの実態を系統的に明らかにした。その中で中央委員を務めたエリートとしてクビャク、ガマルニクという人物に焦点をあて、スターリンとの関係を掘り起こし、スターリンが1920年代の早い段階から極東問題にも関与していた実態を明らかにした。極東問題については、上述した人事だけでなく、外資を導入するためのコンセッション事業、サハリンやカムチャツカといった極東内部の特定地域に対する政策、本格的な極東政策樹立に至るプロセス、その決定の詳細、治安機関や国境警備隊の活動や囚人労働の拡大プロセス等についても言及した。 この研究プロセスを年度後半には1930年代についても引き続き行うとともに、年末にかけて二度モスクワの公文書館で、極東に関する党・政府の決定を跡付けることのできる一次史料を閲覧し、現在分析を行っているところである。2018年3月にはハバロフスク、ウラジオストックの公文書館を訪問した。短期間だったため文書閲覧のための時間を多くはとれなかったが、次回の出張のための準備を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ計画通りに研究を進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
ソ連共産党中央委員会政治局の極東に関する決定は1930年代半ばまでの史料収集はすでに終えた。今年度はできるだけ早い段階で1945年までの決定を網羅的に把握したい。その後、モスクワおよび極東の公文書館訪問の日程を調整し、史料収集作業を進めたい。
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Research Products
(2 results)