2019 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤耐性熱帯熱マラリア原虫の耐性遺伝子の多型と拡散はなぜ特定の地域で起こるのか
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17H04513
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
前野 芳正 藤田医科大学, 医学部, 客員准教授 (70131191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益田 岳 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 連携助教 (00455916)
高木 秀和 愛知医科大学, 医学部, 講師 (90288522)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 熱帯熱マラリア / 薬剤耐性 / 分子生物学的疫学調査 / 住民 / 媒介蚊 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度における調査対象地域としてカンボジア国境と接しているベトナムBinh Phuoc省Bu Gia Map地区を設定した。検討対象は、調査地区の地域保健センターにおいてpassive case detection (PCD)を2018年5月から2019年5月に実施し、収集したヒト血液サンプル48例の内、熱帯熱マラリア24例を検討対象とした。また、採取保存していた乾燥血も解析した。 感染マラリア原虫の種の鑑別及びK13遺伝子の変異、生殖母体関連遺伝子pfg377はPCR及び塩基配列解析によった。 Binh Phuoc省におけるK13遺伝子の変異を過去のヒト血液サンプルから抽出保存してあったDNAを用い解析すると、2002年のサンプル30例ではすべてが野生株であった。2012年のサンプル32例では、野生株1例の他P553L変異株6例、V568G変異株8例、C580Y変異株2例、P553L+V568Gの混合変異株5例、P553L+C580Yの混合変異株1例及び野生株+V568G変異株1例の混合感染例が検出された。2015年のサンプル24例では、野生株が1例の他P553L変異株が13例、V568G変異株が14例、C580Y変異株が3例、野生株+ V568G変異株の混合感染例1例が検出された。今年度のサンプル24例では、野生株7例、C580Y変異株が17例と変異株がC580Yだけになっていた。同一サンプルを用いてマラリア原虫伝播に重要な位置にあるpfg377のアレルを解析すると、2002年のサンプルでは6種のアレルが認められたが、2018年度のサンプルでは2種に収束していた。 さらに、伝播に重要な人の行動について調査すると、熱帯熱マラリア患者のほとんどは調査地区にある自然林あるいはその周辺で宿泊を伴う作業に従事していることが判明し、そこで感染しているものと推測された。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)