2020 Fiscal Year Annual Research Report
A phonological study on the Sinitic loan words in the languages spoken in the northeast Vietnam.
Project/Area Number |
17H04522
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉川 雅之 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (30313159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 政明 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 教授 (10314262)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 歴史言語学 / 記述言語学 / 野外調査 / 借用語 / 漢字 / 言語接触 / ベトナム東北部 / 広西壮族自治区 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.学術調査と考察 2020年度および21年度は、COVID-19に因って生じた様々な制限のため、訪越して言語調査を行うことができなかった。そのため、2019年度までに得たデータと知見に基づいて、音韻と文字の両側面から考察を進めた。 2.成果の公開について 吉川は2020年12月に日本漢字学会の第3回研究大会で、2019年度までにベトナムで行った言語調査で得た知見に基づき口頭発表を行った。清水は2020年10月にプリンストン大学とコロンビア大学が共同で主催しているワークショップColloquium on Literacies across East Asiaに登壇し、チュノムの多様性について論じた。また、2020年度にチュノムの声符を通してベトナム漢字音の頭子音を解明する論文が学術誌『Journal of Chinese Writing Systems』に掲載された。協力者平野は、2021年度にヌン語について論じた論文がSEALS(東南アジア言語学会)の雑誌に掲載された。 本科研で得られた知見を統合する成果としては、2022年3月に図書『漢字系文字の世界』を刊行することができた。本書は2019年度に本科研のメンバーが主体となって企画・登壇したシンポジウム「字体と造字法の創造力──漢字文化圏の周辺部より問う」の成果を発展させたものである。漢字系文字の横断的比較を国内で初めて実現した専門書であるのみならず、借用漢語音の史的変遷や地理的変異を解明する手段として、漢字系文字が有効利用できることも示すことができた。 3.研究成果の還元 研究成果を大学教育に還元する試みとして、2021年3月に東京大学で学内生向けセミナーをオンラインで行った。セミナーでは清水と協力者2名の計3名が登壇して漢字系文字についての講演を行い、受講者との間で有意義な交流が行われた。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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