2018 Fiscal Year Annual Research Report
Urgent Research on Endangered Languages in Burma
Project/Area Number |
17H04523
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
倉部 慶太 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教 (80767682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 昌彦 慶應義塾大学, 言語文化研究所(三田), 教授 (30290927)
澤田 英夫 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (60282779)
新谷 忠彦 東京外国語大学, その他部局等, 名誉教授 (90114800)
大塚 行誠 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 講師 (90612937)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 言語学 / チベット・ビルマ諸語 / 危機言語 / ラワン系言語 / カヤン系言語 / カレン系言語 / ビルマ系言語 / チン系言語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、代表者と分担者5名および研究協力者1名が、ビルマで危機言語を対象に計8回のフィールドワークを行い、多数の研究未開発言語の基礎資料(語彙資料・音声資料)が得られた。年度末に東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所にて研究会を開催し、各自が調査成果を報告した。 代表者の倉部は、2018年12月と2019年2月にカチン州プータオとミッチーナーにて、タンサル語、ディンガ語、ジンポー語ガウリ方言の基礎資料およびカチン民話を蒐集した。分担者の新谷は、2018年10月から11月にヤンゴン、カヤー州ロイコー、シャン州ペーコンにて、トタン語、ラグー語、ローバコー語、レイマアンクー語、スィーソン語、ウェータリー語、スーバオ語、プラドン語、ホーワン語の調査を行った。分担者の澤田は、2018年12月から2019年2月に2度に分けてカチン州ミッチーナーおよびワインモーにて、ロンウォー語ラキン方言、ラカウッ(ギャンノッ)方言、ンゴーチャン語、タイ=サー(マインター)語、ラチッ語の基礎語彙、標準ロンウォー語とトッラン方言の農業・薬用植物・手工業などの語彙、標準ロンウォー語の文法などについての調査を行った。分担者の加藤は、2018年8月から9月にヤンゴンにて、パラチー語の基礎資料蒐集およびポー・カレン語の文法調査を行った。分担者の大塚は、2018年8月から9月にヤンゴンにて、アショー・チン語の文法調査と方言調査を行った。加えて、研究協力者1名をマグウェ地方域に派遣し、ビルマ語ヨー方言の基礎資料を蒐集した。 主な研究成果として、マクリ語の語彙集、ソンカン・カヤン語の語彙集、コカック語の語彙集、ドサンブ・カヤン語の語彙集、ジンポー語形容詞に関する論文、ジンポー語民話資料、ポー・カレン語の使役と逆使役に関する論文、ポー・カレン語の中動態に関する論文、ラルテー語の動詞語幹交替に関する論文などがある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各メンバーが実際にビルマに渡航し、危機言語を対象にフィールドワークを行うことで、タンサル語、ディンガ語、ジンポー語、ジンポー語ガウリ方言、トタン語、ラグー語、ローバコー語、レイマアンクー語、スィーソン語、ウェータリー語、スーバオ語、プラドン語、ホーワン語、標準ロンウォー語、ロンウォー語トッラン方言、ラキン方言、ラカウッ(ギャンノッ)方言、ンゴーチャン語、タイ=サー(マインター)語、ラチッ語、パラチー語、ポー・カレン語、アショー・チン語、ビルマ語ヨー方言など、多数の研究未開発言語に関する新資料が得られた。本年度の調査により、これまで資料がほとんど、あるいは全くなかった研究未開発言語に関する基礎資料を着実に蓄積することができた。本年度の現地調査により、今後も継続してフィールドワークを行っていく目処が立った。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き各メンバーがビルマの危機言語を中心にフィールドワークに基づく研究を進めることで、多数の研究未開発言語の基礎資料の蒐集に努める。代表者の倉部は、カチン州プータオ、ミッチーナーに渡航し、ラワン系言語とジンポー系言語の調査を継続する。分担者の新谷は、ヤンゴン、カヤー州ロイコー、ディモーソー、シャン州ペーコンに渡航し、カヤン系言語の調査を継続する。分担者の澤田は、ヤンゴン、カチン州ミッチーナー、ワインモーに渡航し、ビルマ語群北部下位語群に属する言語の調査を継続する。分担者の加藤は、ヤンゴンに渡航し、パラチー語およびポー・カレン語の調査を継続する。分担者の大塚は、ヤンゴンに渡航し、アショー・チン語をはじめとしたクキ・チン系諸言語の調査を継続する。加えて、研究協力者1名をマグウェ地方域に派遣し、ビルマ語ヨー方言の調査を継続する。
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