2017 Fiscal Year Annual Research Report
Responses to China's economic expansion: Japan, ASEAN and India
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17H04550
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
絵所 秀紀 法政大学, 経済学部, 教授 (10061243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 晶子 法政大学, 経済学部, 教授 (30287841)
藤田 麻衣 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター東南アジアII研究グループ, 主任研究員 (50450507)
胥 鵬 法政大学, 経済学部, 教授 (60247111)
近藤 章夫 法政大学, 比較経済研究所, 教授 (60425725)
森田 裕史 法政大学, 経済学部, 准教授 (70732759)
武智 一貴 法政大学, 経済学部, 教授 (80386341)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 中国経済 / インド経済 / アセアン経済 / ベトナム経済 / 二輪車産業 / 過剰生産能力 / 貿易コスト / 都市経済 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、国際経済学、空間経済学と観光経済学のアプローチから、日本、インドとアセアンの中国経済台頭への対応および日本経済に対する影響を解明することである。 本年度は、現地調査を開始するための様々な分析の準備を行うため、文献レビュー、論点整理、調査対象企業・機関との調整、調査内容の作成及びデータ整備を行った上で、現地調査、事例研究と実証分析を行った。インド経済については、絵所は、モイディノミクスの特徴を明らかにし、その下での経済パフォーマンスを概観し、依然として「雇用なき成長」という問題が課題であることを指摘した。また、インドのタイヤ産業の発展と特徴を明らかにするために、絵所は現地調査を行った。中国の鉄鋼の過剰生産能力が指摘されてきた点に着目して、胥は、倒産再生の適用を申請した香港株式市場と上海株式市場に上場している国営鉄鋼会社を事例に、過剰生産能力の対策として整備された倒産清算と倒産再生のプラットフォーム及び米国の著名企業再生ファンドを含む投資ファンドの役割を明らかにした。中国の台頭の影響を受けたベトナムとインドネシアの二輪車市場について、藤田は中国二輪車企業の海外進出が相手国の産業発展に与えるインパクトを分析した。近藤は、グローバルスケールにおける都市間競争の激化にともなう都市経済の構造的変化と都市再開発への影響について史的かつ地理的に考察した。武智は、国際貿易の基本推定モデルである重力モデルを用いて推定を行ない、伝統的に重要とされる市場間の距離が地域間取引の阻害要因となっていることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献レビュー、論点整理、調査対象企業・機関との調整、調査内容の作成及びデータ整備が順調に進み、ベトナム・インドなどの現地調査、事例研究と実証分析が着実に行われた。また、進捗の早い研究成果は、論文・書籍・学会発表などで公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、国際経済学、空間経済学と観光経済学の理論分析に基づいて、現地調査、事例分析と実証研究で、国際貿易投資から日本、インド、アセアンと中国の競争力の変遷を明らかにし、越境電子商取引、インフレ整備支援、自由貿易協定・経済連携協定などの貿易費用、産業立地集積や経済開発に対する効果を分析することである。さらに、日本の観光立国やインフラ輸出などの戦略を考えるためのインプリケーションを得る。 越境電子商取引、アジアインフラ投資銀行の融資案件及び自由貿易協定・経済連携協定はいずれも現在進行中であるため、進展状況、そして関連研究の動向に応じて、担当の調整や調査経路・調査対象の変更などで柔軟に対応する。代表者・絵所は平成29年度に退職した後法政大学比較経済研究所研究員に就任し、研究環境は従来通りである。
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