2018 Fiscal Year Annual Research Report
Responses to China's economic expansion: Japan, ASEAN and India
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17H04550
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
絵所 秀紀 法政大学, 比較経済研究所, 研究員 (10061243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 晶子 法政大学, 経済学部, 教授 (30287841)
藤田 麻衣 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター, 東南アジアⅡ研究グループ長 (50450507)
胥 鵬 法政大学, 経済学部, 教授 (60247111)
近藤 章夫 法政大学, 経済学部, 教授 (60425725)
森田 裕史 法政大学, 経済学部, 准教授 (70732759)
武智 一貴 法政大学, 経済学部, 教授 (80386341)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 経済政策 / 中国経済 / インド経済 / 国際貿易 / イノベーション / 国際バリューチェイン / 財政学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度には、代表者と分担者は、国際経済学、産業組織論と財政学のアプローチから、日本、インドとアセアンの中国経済台頭への対応および日本経済に対する影響を分析し、国内外の学会や雑誌などで多くの論文を発表・公表してきている。藤田は、中国の市場の変化とイノベーションについての共著論文がEuropean Journal of Development Researchに掲載された。前年度のカンファレンスで発表した論文については国際学会(第30回SASE総会)での報告を行い、修正を行った。電子書籍として発行される予定である。森田は、マルコフ転換ベクトル自己回帰モデルを用いて日本の財政政策の構造変化点と各レジームにおける財政乗数の大きさを検証した。また、Blanchard and Perotti (2002)に倣い、構造ショックを識別するために制度情報を用いて租税の産出量に対する弾力性を推計し、今後中国などの分析に応用することを模索している。武智は、貿易コストの詳細な要因を検討するために、国内輸送の主要手段である道路輸送に焦点を当て、道路輸送に関わる貿易コストの要因として渋滞・事故の在り方を日本の道路事故データを用いて明らかにした。胥は、90年以降の日本企業のダインサイジングと退出の背後にある中国のグローバル経済への参入による国際競争の激化を分析した論文発表や書籍執筆を行い、中国の研究者と共同で中国企業による日本の経営不振企業の買収の分析に取り組んでいる。絵所は、インドとアセアンの現地調査に基づいて、モディ政権の経済改革との関連で、国際サプライチェンの視点からインドの自転車産業の国際バリューチェインにおける位置づけを分析し、一連の論文や書籍を公表し、学会発表も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
代表者と分担者は、国際経済学、産業組織論と財政学のアプローチから、日本、インドとアセアンの中国経済台頭への対応および日本経済に対する影響を分析し、国内外の学会や雑誌などで多くの論文を発表・公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、主に前年度までに行った現地調査などで収集したデータや整備したデータベースを用いて、実証分析を進め、研究成果の取りまとめと発表を行う。一部は引き続き現地調査を進める。 分担者武智は、引き続き国際貿易理論を中心に、道路輸送の問題である渋滞・事故の経済的影響が各国の貿易コストに対して持つ含意を検証する。分担者胥・田村は、中国の対外直接投資データベースを用いて、中国企業の相手国別業種別の対外直接投資データを使った中国の研究者との共同実証研究を行い、中国企業の直接投資が、投資相手国のインフラ整備に貢献し、経済発展につながるかを明らかにする予定である。森田は、企業がどの国に海外子会社を開設したかがわかる海外進出企業総覧のデータを使用して、為替レートの変動や現地経済の状況などに加えて、中国に関しては対日・対中感情と呼ばれるようなsentimentalな要因が日本企業の海外直接投資に影響を与えているかどうかについても焦点を当てる。さらに、海外進出の決定要因だけではなく、海外進出活動が企業の収益に与える効果も同時に推計することを試みる。また、胥は中国企業の日本企業買収と日本の企業再生との関連を中国研究者と共同で分析する。近藤は、今までの実証研究の成果をふまえ、昨今の新国際貿易論や新経済地理学の知見との親和性および地理情報科学における手法への貢献を検討する。具体的には、各国の都市順位規模曲線について国際比較を定量的に行い、マクロの経済成長およびミクロのplace-based policyの影響を考慮に入れた実証研究を進める。 さらに、実証分析結果を取りまとめると同時に,研究代表者絵所の統括と調整の下で、海外研究者を招聘して国際コンファレンスやワークショップを開催する予定である。 その上で、調査実証分析については、完成次第取りまとめられた論文の学会発表や雑誌投稿を進める。
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Research Products
(14 results)