2018 Fiscal Year Annual Research Report
戦前期日本企業海外活動拠点の形成と発展―商社支店が構築したネットワーク
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17H04556
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Research Institution | Mitsui Bunko |
Principal Investigator |
吉川 容 公益財団法人三井文庫, 社会経済史研究室, 研究員 (20201460)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 経済史・経営史 / 日本企業 / 海外進出 / 商社 / 在外支店 / 領事館 / 在外史料 / 接収史料 |
Outline of Annual Research Achievements |
史料調査:研究代表者ならびに研究協力者(3名)が、ルーベ(フランス)のフランス国立文書館分館(Archives nationales du monde du travail:ANMT)にて史料調査を行った。フランス三菱関係、伴野商店関係など戦前期日本企業のフランスでの事業活動に関する史料を調査し複写収集した。伴野商店はこれまでその活動がほとんど知られていない企業でありその史料が得られたことは貴重な成果であった。研究協力者1名が、米国国立公文書館(NARA)カレッジパーク分館にて在米日本企業支店に関する史料調査を行った。 史料の複写収集:米国国立公文書館(NARA)カレッジパーク分館所蔵の在米日本企業支店関係史料のデジタル複写収集(28,959コマ)を行った(複写作業は現地専門業者に発注)。今年度収集したのは、三井物産サンフランシスコ店の庶務(支店長関係を含む)史料(RG131;ENTRY-A1-62)ならびに雑貨掛史料(RG131;ENTRY-A1-67)である。 史料目録の整備:米国国立公文書館(NARA)カレッジパーク分館で複写収集した史料について、史料一点ごとの史料目録データベースの作成を進めた。 研究会の開催:史料調査の計画・調査結果総括ならびに収集史料を用いた分析のために、研究代表者と研究協力者による研究会を3回(4月、7月、2月)開催した。また在外日本企業史料研究会と共同の研究会を3回開催した。2nd World Congress on Business History 2020 (南山大学)において研究成果を発表することを目指しセッションへの応募準備を研究協力者と開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた米国西海外での史料調査は、主たる調査対象に予定していた北カリフォルニア日本センターが所蔵する横浜正金銀行関係資料が当面閲覧できないことが判明したために見送ることとした。一方現地での研究協力者が得られたため、懸案であったフランスでの史料調査を実施することできた。全体として海外での史料調査は順調に進んでいる。 世界の主要商業都市における日本企業諸支店と日本関係諸機関の進出・創設の時期に関するクロニカルな全体像を把握するための史料調査収集(外交史料館所蔵文書、東京大学経済学部資料室所蔵横浜正金銀行史料等)はやや遅れている。 米国国立公文書館(NARA)カレッジパーク分館所蔵の在米日本企業支店関係史料のデジタル複写収集は米国連邦政府予算不成立の影響で一時中断を余儀なくされたが、予算繰越措置をとり2019年中に無事予定コマ数を複写収集した。 史料目録の整備、研究会の開催は概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
資料調査、資料複写収集、収集済資料の目録整備を引続き進める。やや遅れている日本企業・日本関係諸機関の進出・創設の時期に関するクロニカルな全体像を把握するための史料調査収集を2019年度には重点的におこなう。
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