2021 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギー転換期のドイツにおける原発立地地域の実証的研究
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17H04560
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
青木 聡子 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (80431485)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エネルギー転換 / 地域社会 / 反原発 / 住民運動 / 市民運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大にともない、予定していたドイツでの現地調査が引き続き困難な状況にあったため、申請当初に比較対象として設定していた国内事例の調査に注力し、研究を進めた。具体的には、三重県・芦浜原発反対運動に関する調査研究である。 芦浜原発反対運動は、三重県・紀勢町(現在は大紀町)と南島町(現在は南伊勢町)にまたがる芦浜地区を舞台に、1963~2000年の37年間にわたって展開され、最終的には原発建設計画を白紙撤回させるに至った運動である。この運動の特徴は、運動最晩年の5年間を除き、地元住民がほぼ一貫して外部の「よそ者」の支援を拒んだ点にある。そうした状況のなかで、それでも周囲の市民運動が住民の反対運動を支援しようとする際にはいかなる支援が可能なのか、そしてそうした支援は運動終了後の地域社会や運動関係者にいかなる影響を与えたのかという問題意識のもと、調査及びその結果の分析を進めた。こうした調査研究は、原発を拒んだのちの地域社会や人びとのありようを析出するものであり、申請時の研究課題を検討する際に必要な比較対象と位置づけられる。 調査では、名古屋市内で活動を展開していた市民運動団体「反原発きのこの会」およびその派生団体である「熊野灘ぐるめの会」、「芦浜産直出荷組合」を対象とし、芦浜の漁業者たちを買い支える活動の展開過程及びその意義を検証した。調査結果からは、「ぐるめの会」でも「出荷組合」でも、都市部の市民が不自由さや不便さを引き受けながら浜を買い支えており、そのことが市民運動と住民運動、ひいては都市と地方との間の不均衡な関係の解消にもつながりうることが明らかになった。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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