2017 Fiscal Year Annual Research Report
生殖科患者・医療者、医療経済面で良い心理社会的ケア、心理カウンセリングと医療連携
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17H04567
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
小泉 智恵 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (50392478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 美由紀 大阪府立大学, 看護学研究科, 教授 (70327451)
鈴木 直 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (90246356)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 心理カウンセリング / 心理社会的ケア / 生殖医療 / 医療経済 / 多職種チーム |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題の目的は、生殖医療、がん・生殖医療において、欧州、米国、南米、アジアなどの医療制度、社会文化、施設、患者、専門職の状況を把握し考慮した上で、全医療者による心理社会的ケア、心理士による心理カウンセリング、それらの多職種連携について、どのような組み合わせが患者の満足度やストレス軽減を導くか(研究1)、患者・医療者・医療経済面の3方にとってより良くリーズナブルな医療システムとは何か(研究2)を明らかにすることである。 2017年度は国際学会である、Asian Society of Fertility Preservationの各国代表者または国の状況をよく知る専門職者を対象として研究1を開始した(研究登録UMIN000035124)。国外の研究協力者がやむを得ない理由で急遽研究協力を辞退したため着手が遅れたが、2017年度は韓国、タイ、フィリピンの調査を実行した。 韓国は2017年不妊治療の保険適用を開始し、2018年に全国4か所に不妊ゆううつ心理カウンセリングセンター(Counselling Center for Infertility Depression)を設置することになった。そこには産婦人科医師、精神科医師、相談心理士、臨床心理士、看護師が配置され、各職の研修事業、相談事業などを行っていた。タイは生殖ツーリズムの受け手側国としても国内外の患者の生殖医療、がん・生殖医療を数多く実施してきた一方で、心理支援は一般的に普及していない。もし心理カウンセリングが必要になるとしたら精神科医に紹介することになるが患者や社会に強いスティグマがある。フィリピンは生殖医療センターが各地域にあり医療は普及したが、心理支援に対する強いスティグマがあることと費用が効果であることから患者の気軽な利用に至っていない。 2018年度以降は上記の調査をアジア各国で実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
海外の研究協力者の突発的な事情により研究協力を辞退したので、研究対象者の選定と調整に時間がかかった。しかし、国際学会である、Asian Society of Fertility Preservationの協力により、学会役員12か国のうち10か国から調査参加承諾を得ているので、研究1は完了できる見通しだ。
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Strategy for Future Research Activity |
研究1で計画した医療者調査は上述した通り完遂する見通しである。患者調査は現在調査先の調整を行っているが、患者プライバシー保護が外国調査ではとても厳しいため国内調査のみになる可能性もあるが、調整を続けている。これらの調査データをもとに研究2を行う。
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