2019 Fiscal Year Annual Research Report
開発途上国における水・廃棄物問題改善のための包括的都市衛生政策の構築
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17H04590
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Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
上村 繁樹 木更津工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (60300539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多川 正 香川高等専門学校, 建設環境工学科, 准教授 (30390511)
山内 正仁 鹿児島工業高等専門学校, 都市環境デザイン工学科, 教授 (40239843)
大久保 努 木更津工業高等専門学校, 環境都市工学科, 准教授 (60581519)
井口 晃徳 新潟薬科大学, 応用生命科学部, 助教 (60599786)
野本 直樹 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 助教 (70802916)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 途上国 / 衛生管理 / 下水処理 / 水質汚濁 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は、かねてから懸念していた中年米諸国に訪問し、主に下水道行政に係る事項を調査することができた。訪問国は、南米ペルーおよび中米コスタリカである。各国の下水道行政に係るデータ収集と聞き取り調査を行った。それぞれの国において、主要な下水処理場に訪問し、下水関連行政関係者等とミーティングを設定し、水環境に係る基本的データの収集と各国が抱える問題点をヒアリングした。 また、我々の研究グループが長年途上国向けの下水処理として研究・開発してきたDHS(下向流スポンジ懸垂)リアクターについてであるが、ペルーでは、散水ろ床法をメインとした処理方式を採用しており、また処理場長がJICAの研修で訪日の経験がありで、その際DHS技術の優秀さに感化されていたことから、今後、担体の一部をDHS式スポンジ担体に置き換えて検討する予定である旨をお聞きした。一方、コスタリカでも、農村集落排水処理用にDHSを導入していて、そのDHSプラントの見学も行った。以上の経験は、非常に感慨深いものであった 下水処理行政が河川の水質改善に与える影響について、現地大学、NGO、JICA等のヒアリングから解析し、家庭単位での下水の汚濁負荷量の算出調査等を行うことができた。その他、継続して途上国の下水処理の効率化と水の再生利用に関するデータの整理・蓄積も着々と整っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、中南米を中心として調査した。我々が精通しているアジア諸外国と比較し、行政関係者、下水処理技術関係者とのコンタクトがなかなかうまくいかず、困難であったが、上々の成果が得られたと考えている。このように、調査結果に関しては、非常に充実していると自負しており、「おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
本来、今年度はブータンおよびバングラデシュを予定していた。バングラデシュでは、新たな展開として、コックバザールにおけるロヒンギャ難民キャンプを訪問し、その衛生状況と衛生管理の取材を行う予定であった。しかしながら、現在コロナウィルス拡散防止のため、全世界的に渡航が困難な状況にある。本調査研究は海外渡航が大前提であるので、世界的な様子を見ながら、最悪、次年度繰り越しを要求することも視野に入れている。
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