2019 Fiscal Year Annual Research Report
Epidemiological and biological analysis on rice bleaching disease occurred in Vietnam
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17H04618
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
岡崎 伸 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40379285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桂 圭佑 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20432338)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | イネ / 病害 / 白化病 / ゲノム / ベトナム / LAMP法 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)ベトナムにおける白化病発生状況調査・・・2019年5月に研究代表者らがベトナムへ渡航し、Vinh Long省の農業試験場、ホーチミン市科学大学を訪問してそれぞれの研究進捗状況の報告を行なった。また、Vinh Long省の農業試験場の案内で現地圃場を調査して病害イネを確認した。現地調査については、ベトナムの圃場へのアクセスや土地所有者の情報等を把握する必要があることから、ベトナム側の研究者が中心となって継続することを確認した。現在もデータを収集中である。 (2)白化病菌VL1株と非病原性の近縁株とのゲノム比較を行ない、VL1株に特有なゲノム領域を同定した。VL1株のゲノムは主染色体1本とプラスミド6個からなるが、VL1株に特有なゲノム領域はプラスミドに多かった。VL1株に特有なゲノム領域にはバクテリオファージのゲノムやタンパク質分泌系関連遺伝子と相同性を示す配列が含まれており、VL1株の病原性との関連性が推察された。 (3)白化病菌特異的なゲノム領域を用いてLAMP法による白化病菌検出法を開発を行った。これまでにPCRよりもおよそ80倍程度検出感度の高い方法を開発することができ、VL1株を接種したイネからの直接検出も可能であった。今後は土壌、種もみ、植物体の微量 サンプルから白化病菌を検出することを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
白化病菌VL1株と非病原性の近縁株とのゲノム比較によりVL1株に特有なゲノム領域を同定し、その中にバクテリオファージゲノムやタンパク質分泌系関連遺伝子と相同性を示す配列を見出した。これらのVL1株に特有の配列は病原因子と関連する可能性が高く、今後、遺伝子破壊等により、病原因子同定を進める基盤となる。 また、白化病菌を検出するLAMP法の開発に成功したことで、今後はベトナムの土壌、種もみ、植物体の微量 サンプルから白化病菌を検出する現地試験に進むことができる。以上のことから、進捗状況はおおむね順調と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
白化病菌VL1株と非病原性の近縁株とのゲノム比較によりVL1株に特有なゲノム領域について遺伝子破壊等により、病原因性に関わる領域を同定する。また、白化病菌が生産する毒素についても抽出・精製を試みる。 さらに、白化病菌を検出するLAMP法を用いてベトナムの土壌、種もみ、植物体の微量 サンプルから白化病菌を検出する現地試験を行う。
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Research Products
(3 results)