2019 Fiscal Year Annual Research Report
Factors associated with occurrence of novel biotype of Oryctes rhinoceros resistant against nudiviruses
Project/Area Number |
17H04622
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
仲井 まどか 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (60302907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 眞一郎 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (60222585)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | タイワンカブトムシ / Nudivirus / ヤシ / 太平洋州 |
Outline of Annual Research Achievements |
ココヤシを含むヤシ類を食害し枯死させてしまう害虫の一つにタイワンカブトムシ(別名サイカブトムシ:Oryctes rhinoceros)がある。本種は、もともとは南アジアや東南アジアに分布するが、1910年代から太平洋州の島々に侵入し、ココヤシやアブラヤシに甚大な被害を及ぼしてきた。一方、タイワンカブトムシの防除に、天敵ウイルス(Oryctes rhinoceros nudivirus: OrNV)を用いた防除が実施され成功をおさめている。1970年代からマレーシアで分離されたOrNVが利用されており、ウイルスを接種した成虫を放飼することによりウイルス伝播を引き起こさせ、本種の密度を抑えて最終的にはヤシの被害も軽減された。しかし、2007年よりグアム(アメリカ合衆国)を中心に新しいウイルス抵抗性のバイオタイプ(Gタイプ)が出現し、その分布とともにヤシ類に甚大な被害が再度拡大し太平洋州を中心に現在も大きな問題になっている。 本研究では、GタイプのタイワンカブトムシのOrNVに対するウイルス抵抗性に関する要因を探索することを目的とする。 GタイプとNon-G タイプ(グアム以外のバイオタイプ)のタイワンカブトムシをそれぞれ輸入して実験室内で飼育し、OrNVの増殖特性を比較する計画である。また、GタイプとNon-G タイプはウイルス抵抗性以外にも生物学的特性が異なる可能性が指摘されている。たとえば、集合フェロモンの感受性や、飛翔能力などに違いがある可能性があり、これらの特性とヤシに対する被害率の関係などわかっていないことが多い。ウイルス感染抵抗性以外の要因についてもGタイプとNon-G タイプを比較する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
パラオで採集されたタイワンカブトムシ成虫よりnudivirusの分離を試みた。PCRによりnudivirusの検出された個体を磨砕して、日本系統のタイワンカブトムシ幼虫に接種し、感染組織にウイルス粒子を確認することができた。さらに、パラオ分離株について次世代シーケンサーを用いて全ゲノム配列を決定した。また、日本系統のタイワンカブトムシ幼虫にパラオ分離株を接種し、そのウイルス増殖特性を調査した。 グアムより輸入許可を得て、当研究室で飼育したタイワンカブトムシ成虫を用いて、集合フェロモン感受性についての予備実験を行なった。集合フェロモンは、コスタリカ産の市販品を用いた。これをプラスチック容器中に配置して、成虫の行動観察を行なった。 グアム大学との共同研究により、2020年3月にアメリカ領サモアよりNon-G type(グアム以外のバイオタイプ)を輸入する計画であったが、新型コロナウイルス 感染拡大のため中止となった。今後も輸入の見通しが立たないため、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
パラオで採集されたタイワンカブトムシ成虫よりnudivirusの分離を試みた。PCRによりnudivirusの検出された個体を磨砕して、日本系統のタイワンカブトムシ幼虫に接種し、感染組織にウイルス粒子を確認することができた。さらに、パラオ分離株について次世代シーケンサーを用いて全ゲノム配列を決定した。また、日本系統のタイワンカブトムシ幼虫にパラオ分離株を接種し、そのウイルス増殖特性を調査した。 グアムより輸入許可を得て、当研究室で飼育したタイワンカブトムシ成虫を用いて、集合フェロモン感受性についての予備実験を行なった。集合フェロモンは、コスタリカ産の市販品を用いた。これをプラスチック容器中に配置して、成虫の行動観察を行なった。 グアム大学との共同研究により、2020年3月にアメリカ領サモアよりNon-G type(グアム以外のバイオタイプ)を輸入する計画であったが、新型コロナウイルス 感染拡大のため中止となった。
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