2018 Fiscal Year Annual Research Report
Sustainability of seed procurement for small sclae farmers in Asia
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17H04627
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
西川 芳昭 龍谷大学, 経済学部, 教授 (80290641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河瀬 眞琴 筑波大学, 生命環境系, 教授 (00192550)
根本 和洋 信州大学, 学術研究院農学系, 助教 (20293508)
冨吉 満之 久留米大学, 経済学部, 准教授 (20506703)
入江 憲治 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (90408659)
香坂 玲 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (50509338)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 種子 / ローカル / 在来品種 / 改良品種 / 持続可能な生計 / 作物遺伝資源 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、条件不利地において、農家の種苗調達に関与する多様なアクターとそれらを支え繋ぐ組織・制度に注目し、その社会独自の発展経路の中で構築された種子調達メカニズムと利用されている言説を社会科学を中心に自然科学の側面も踏まえて分析を行ってきた。 2018年度は、研究対象国であるネパールにおいては、本格調査に先立つ予備調査として、カトマンズ近郊のパンチカール市周辺農村(2018年9月及び2019年1月)及び、辺境地域であるバグルン郡(2018年9月及び2019年3月)において、地域で活動するNGO及び農業普及員と協力し、またNARC関係者の助言を受けて調査方法・対象の検討を実施した。販売・自給の両方を念頭に置いた農民の多様な種苗調達が、必ずしも市場との距離や作目の特徴に左右されず、農家自身の多様な判断基準があることが示唆されたため、今後より詳細の調査を2019年度に実施するための調査手法について検討を行った(2019年3月東京農大)。西欧的分析手法をベースにアジア的な発展論を融合するサブテーマについては、国際的に開発コミュニティで受け入れられていた持続的生計アプローチ(SLA)に関する書籍の翻訳出版(2018年11月)を完成し、参照する指標の整理を行った。 ネパール以外の参照地域として、ベトナム、ミャンマー、インドにおける調査を他の科研等との協力で実施し、また西欧研究者により知見が形式化されている東南部アフリカ事例としてウガンダのJICAプロジェクトの視察調査を実施し、導入品種の場合に自家採種する仕組みについて整理した。さらに、成果発表に向けて、英国コベントリー大学との連携可能性についての協議を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年9月のネパール現地調査(本格調査準備)が豪雨による道路状況悪化により、さらに2019年3月の現地調査は積雪による道路閉鎖のため、充分に行えなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
種子の品質の理解に関する従来の研究は、農学から見た改良品種の優位性や、経済学から見た収益性など限られた側面からの評価であった。本研究では、より多面的な定義(例えば地域の文化との整合性や調達のタイミングなど生業全体との相関)を試みており、今後農家にとってのローカルの意味や種子更新の理由について調査方法を含め検討していきたい。さらに、西欧的政治経済発展観ではなく、SLAを意識した内発的発展論の視点での種子システム評価を試み、そのプロセスで英国を含むヨーロッパの研究者との交流を行う。 現地調査(本格調査)の遅れについては、2018年度までの研究実施の課程で、ネパール農業研究機構との連携が強化され、また現地NGO(環境保全型農業の実施)との情報交換が進んでおり、日本人研究者が本格調査に充分に時間を避けない場合も、一定のデータ収集が可能なように対策を立てる見通しがある。
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Research Products
(21 results)
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[Book] Community Seed Banks: Sharing Experiences from North and South2018
Author(s)
Andersen, R.,Shrestha, P.,Otieno, G.,Nishikawa,Y.,Kasasa,,P.and Mushita,A
Total Pages
43
Publisher
Bioversity International, the EU Horizon 2020 project DIVERSIFOOD, the Fridtjof Nansen Institute, and LI-BIRD
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