2018 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯アジアにおける送粉者多様性の評価とモニタリング
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17H04644
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| Research Institution | Shimane University |
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Principal Investigator |
宮永 龍一 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 教授 (40335550)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 加耶 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 助教 (20755681)
横井 智之 筑波大学, 生命環境系, 助教 (80648890)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | ハナバチ / インベントリー / 東南アジア / 送粉 / モニタリング / タイ / ベトナム / ボルネオ |
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| Outline of Annual Research Achievements |
当該年度はタイ，ベトナム，マレーシアにおいて調査を行った．概要を以下に示す．
①タイ南部におけるインベントリー調査（2018年8月1日～13日）：タイ南部トランからクラビー，パンガー，ラノーンにかけて，カセサート大学との共同調査を実施した．高浪による被害が深刻化している海岸部を中心に，漁村，海岸林林縁部などで開花植物に訪花するハナバチ類のサンプリングを行った．その結果，400個体以上の標本を得ることができた．②マレーシア・ランビルヒル国立公園おけるトラップ調査（2018年9月13日～19日）：ボルネオ島北部のランビルヒル国立公園において研究協力者が事前に設置したハナバチ用トラップの回収および解体を行った．森林内数か所に設置したトラップからハナバチ類を得ることはできなかったが，ハナバチ類の営巣痕を確認することができた．③ベトナム南部・高標高地域におけるインベントリー調査（2018年9月20日～28日）：ラムドン省・ダラット近郊のBidoup Nui Ba国立公園内において，ベトナム熱帯生物研究所との共同調査を実施した．主として公園内の高標高地域を中心に，林縁部，集落周辺などでサンプリングを行った結果，300個体以上の標本を得ることができた．④タイ南部島嶼部および中西部インベントリー調査（2018年12月11日～26）：南部ラノーン沖合の島嶼および中西部カーンチャブリー地方において，カセサート大学との共同調査を実施した．山地を中心にハナバチ類のサンプリングを行った結果，400個体以上の標本を得ることができた．⑤ベトナム南部・低標高地域におけるインベントリー調査（2019年3月22日～29日）：ホーチミンシティ近郊の低標高地域において，ベトナム熱帯生物研究所との共同調査を実施した．集落，耕作地，河畔林林縁部などでサンプリングを行った結果，300個体以上の標本を得ることができた．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画では平成30年度に2回のフィールド調査を予定していたが，相手国カウンターパートおよび研究協力者，研究分担者の積極的な協力が得られたこともあり，計5回の現地調査を実施することができた．タイについては前年度の北部，中東部に続いて南部，中西部の調査を実施することができた．この中には複数の島嶼が含まれており，タイ国内の広範な環境でのサンプリングを達成することができた．ベトナムについては，前年度の北部に対して，南部の高標高地域と低標高地域を調査地として選定した．タイ同様，広範な環境での調査を実施することができた．とくにベトナムについては，これまでハナバチ類の調査がほとんど行われてこなかったことから，今後の分類学的研究により多くの新知見が得られるものと期待される．
ABS問題をクリアするため，今年度はベトナム熱帯生物研究所とMAT（合意条件に基づく契約）を締結した（本課題では3機関目）．標本の取扱いについて，タイ・ベトナムのこれら関係機関と協議を行った結果，昨年度同様，国外への持ち出しが許可された．これらについては現在，日本国内で分類学的研究を進めている．なお，当初予定していたDNA barcodeに関しては，計画段階で担当としていた研究協力者による遂行が困難となったため，次年度に新たな研究分担者を加え，遂行することとした．
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| Strategy for Future Research Activity |
次年度も引き続き，タイ，ベトナム，マレーシアにおいてインベントリー調査を継続する．タイについては，北部山岳地帯およびタイランド湾離島部の調査をもって完了とする．ベトナムについては中部・フエ近郊を対象とする．マレーシアについてはランビルヒル国立公園での定量調査を開始する．これまでに集積した標本をもとにした分類学的研究の着手のため，次年度中に担当する研究協力者を東南アジア産ハナバチ類のタイプ標本が集積されているオランダ・ライデンの自然史博物館に派遣し，情報の収集を行う．DNA barcodeについては，研究代表者の所属機関である島根大学において対応可能な研究分担候補者を選定している．次年度よりDNA抽出作業に着手できる見込みである．営巣生態に関する調査については，タイ・パヤム島にてハナバチ類の集団営巣地を発見したので，これを対象に調査に着手する．
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