2018 Fiscal Year Annual Research Report
医薬資源としての持続的利用のためのインドネシア海洋生物調査
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17H04645
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒井 雅吉 大阪大学, 薬学研究科, 特任教授(常勤) (80311231)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 海洋薬用資源 / インドネシア / 医薬シーズ / 底生海洋生物 / 海洋微生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本とインドネシアの海洋天然物化学者を中心とする共同研究グループにより、海綿を中心とする底生海洋生物の調査、採集、調査地域での生物種の分布・生息状況に関する情報を収集するとともに、医薬シーズの探索資源として利用するため、採集試料の抽出物を作成して、これをライブラリー化した。また、資源の持続的な利用を目的として、採集した生物試料から内生微生物の分離を行い、それらの培養抽出物ライブラリーを構築した。さらに、試料からの総ゲノムを抽出して、この保存を行った。具体的には、バリ島西部バニュエダンのサンゴ礁域を調査地域として、以下の調査を行い成果を得た。 1. バニュエダンのサンゴ礁域10箇所について、スキューバダイビングでの海洋生物の生育調査を水中写真の撮影等で行った。また70サンプルの生物試料の採集を実施し、これらの抽出エキスを作成した。 2. 生物試料から60種の内生微生物の分離に成功し、これらの培養抽出物を作成した。また同時に、生物試料の総ゲノムも抽出・保存した。 3. 作成した抽出エキスおよび培養抽出物の成分分析と7種類の生物活性スクリーニングを行い、これらの結果と1と2の情報を紐付けし、データベース化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通り、日本とインドネシアの共同研究グループで、水中写真撮影等による生息状況の調査、生物試料の採集を実施した。さらに採集した生物試料から、60種の内生微生物の分離にも成功している。また、生物試料の抽出エキスおよび分離した培養の培養抽出物のライブラリー化、成分分析、生物活性評価についても終えた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度予定している調査研究とその結果、昨年度および今年度の結果を統合することにより、効率良く医薬シーズ探索を実施するための基盤の確立を行う。さらに、生育状況の調査結果、成分分析と生物活性評価の結果を合わせ、インドネシア科学院の海洋研究への報告を行い、持続的な海洋資源の利用に向けた提言を行う予定である。
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Research Products
(9 results)