2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H04646
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
塚本 佐知子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 教授 (40192190)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 薬用資源 / 調査研究 / 植物内生菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究代表者は、平成18年度から12回インドネシアのマナドを拠点として、熱帯サンゴ礁海域での薬用海洋資源の調査研究を行ってきた。そして、本研究代表者の研究室において、採集した海洋生物・微生物の抽出物を用いて各種生物活性試験を行い、多くの新規生物活性物質を発見することに成功している。そこで本研究では新たに、熱帯サンゴ礁海域の中でも、上記の海域とは環境の異なるタイでの薬用海洋資源の調査研究を行うことを計画した。海洋生物や植物の組織中には微生物が共生していることが多く、それら微生物が特異な生物活性を示す二次代謝産物を生成していることが多い。そのような生物活性物質は、医薬品シーズの有力な候補となる。医薬シーズが植物や海洋生物の場合、シーズを供給するためには植物の採集・栽培あるいは海洋生物の採集を行う必要があるが、資源が微生物の場合には必要な時に必要な量を培養により供給できる利点がある。当初の計画では、Chulabhorn Research Instituteの共同研究者とともに薬用海洋資源の調査研究を行う予定であったが、前王の死去による服喪中だったため、ブラパ大学(Burapha University, Chonburi, タイ)の共同研究者とともに、調査研究を行うこととした。そこで平成30年1月に、連携研究者である当研究室助教の加藤光博士が、植物内生菌を単離するため、マングローブにおいて植物を採取し内生菌の単離を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
タイのマングローブにおいて29種の植物から300種の内生菌を単離することに成功した。既に培養しエキスを調製した。今後、各種スクリーニングを実施する。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在、Chulabhorn Research Instituteを一緒に訪問する予定である2人のアメリカ人研究者と日程調整を行っている。海洋生物の調査研究を行うとともに、天然物化学に関するシンポジウムを行い、日本・アメリカ・タイの3ヶ国の研究者による学術研究の交流を行う予定である。
|