2019 Fiscal Year Annual Research Report
ベトナム農村における抗菌性物質残留実態と薬剤耐性菌の伝播機構の解析
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17H04647
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平田 收正 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (30199062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 和生 大阪大学, 医学系研究科, 特任准教授(常勤) (50397741)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 衛生薬学 / 薬剤耐性菌 / 抗菌性物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年は前々年度、前年度、採取したベトナム、ハノイ市郊外、バビ地区の環境水試料について、残留抗菌性物質の詳細な解析を行った。検出された抗菌性物質はサルファメトキサゾール、サルファメタジン、トリメトプリム、セファレキシン、フルメキン、テトラサイクリン、オフロキサシンであった。また、アンピシリンやアモキシシリンの分解物である2-ヒドロキシ-3-フェニルピラジンも検出された。以前に比べ、検出薬剤の種類が少なく、残留濃度も低下していた。この原因は薬剤耐性菌に関する教育、啓蒙活動により、不適正使用が減少したことが原因と考えられる。ESBLを検出する寒天培地を用い、ESBL菌の検出を試みたところ、全てのサンプリング地点から検出された。研究実施者が過去実施したベトナム、カントー市における養殖池や河川での解析結果と比較し、ほぼ同様な結果が得られた。カントー市における養殖池や河川は、水量が極めて多く、流れも存在していたが、今回の解析対象地区のサンプリング地点は、家庭や小規模農家が保有する養殖池が多く、水量が少なく、流れもほぼ存在していなかった。本研究により、薬剤耐性菌に関する教育、啓蒙活動によって、不適正使用が減少し、環境中抗菌性物質残留濃度の低下することが示唆された。しかしながら、薬剤耐性菌が検出されなくなるまでには、相当の対策と時間を要することも示唆された。また、不適正使用の減少により、周辺住民の経済活動にどのような影響が現れたかを今後評価する必要もある。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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