2017 Fiscal Year Annual Research Report
翼手目由来感染症リスクの対応戦略構築のための疫学的基礎データの収集
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17H04653
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久和 茂 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (30177943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 健太郎 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 准教授 (30401178)
宇根 ユミ 麻布大学, 獣医学部, 教授 (40160303)
大松 勉 東京農工大学, 農学部, 准教授 (60455392)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 感染症 / 翼手目 / コウモリ / 気候変動 / 疫学調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はフィリピン及び台湾で翼手目(コウモリ)を捕獲し、それらのコウモリが持っている細菌、ウイルス、原虫等の微生物の疫学調査を実施し、気候変動によって将来日本で問題となる可能性のあるコウモリ由来感染症に関する情報を整理し、その対応戦略を作成するための基礎データを構築することにある。
2017年度は、主に(1)台湾での予備調査と、(2)フィリピンでのコウモリの捕獲調査を予定していた。 (1)台湾での予備調査: 2017年10月14日~16日の3日間、Chen博士(台湾、中原大学)に案内していただき、研究分担者である大松博士と一緒に台湾の台南、台中地区のコウモリ捕獲候補地を回り、現地の状況(交通・宿泊・治安・捕獲の難易、サンプリングの難易)、コウモリの状況(種・数量)などを確認した。交通・宿泊・治安などは全く問題無いことが分かったが、サンプリング可能なコウモリの種は限定され、またその数量も多くは望めないことが明らかになった。 (2)フィリピンでのコウモリの捕獲調査: 当初、我々のグループがこれまでコウモリの捕獲調査を実施していないパラワン島での捕獲調査を視野に、調整を行っていた。しかしながら、パラワン島でのコウモリ捕獲調査の許可が下りないこと、現地の案内役のマサンガイ博士の都合、気候的な要因(台風、雨季など)などが重なり、年度内に捕獲調査を実施することが難しくなり、最終的に捕獲調査を諦めた。そのため、研究費の一部を次年度に繰り越すことにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
台湾での予備調査は予定通り実施できたが、台湾でコウモリサンプルを大量に集めるのは難しいことが分かった。
一方、フィリピンでのコウモリの捕獲調査に関する許可が得られないなどの理由から捕獲調査を実施できなかったので、2017年度にはコウモリを新たに捕獲することができず新たなサンプルを得ることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究はフィリピン及び台湾で翼手目(コウモリ)を捕獲し、それらのコウモリが持っている細菌、ウイルス、原虫等の疫学調査を実施し、気候変動によって将来日本で問題となる可能性のあるコウモリ由来感染症に関する情報を整理し、その対応戦略の基礎データを構築することにある。
当初はフィリピンと台湾の両方で捕獲調査を行うことを目論んでいたが、2017年度に実施した台湾の予備調査の結果を踏まえ、今後はコウモリのサンプルを多く集めることができるフィリピンを中心に捕獲調査を進めて行く予定である。
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Research Products
(5 results)