2019 Fiscal Year Annual Research Report
味覚障害の病因解明と治療戦略の構築 ー日本ータイ二国間比較研究ー
Project/Area Number |
17H04673
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
庄司 憲明 東北大学, 歯学研究科, 講師 (70250800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 しづ子 東北大学, 歯学研究科, 助教 (60225274)
西岡 貴志 東北大学, 歯学研究科, 助教 (50641875)
古内 壽 東北大学, 歯学研究科, 助教 (50209160)
駒井 三千夫 東北大学, 農学研究科, 名誉教授 (80143022)
上園 保仁 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (20213340)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 味覚障害 / 口腔乾燥 / うま味 / 唾液 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国では、急速な高齢化を背景とした味覚障害患者の増加が社会問題となっている。味覚障害は単に味が判らないという症状ではなく、食欲低下による体重減少、さらに低栄養状態や栄養バランスの低下による全身の健康に深く関わる重要な疾患である。とりわけ生理機能の低下している高齢者においては生命に関わる重篤な障害と言える。65歳以上の高齢者を対象とした我々の味覚調査では、約37%に味覚障害がみられた。特筆すべきことは、基本4味(甘味、塩味、酸味、苦み)は正常でありながら「うま味」感受性のみが低下している患者が16%も存在することが明らかとなったことである。これら「うま味」障害者は、他の医療機関では味覚正常と判断され十分な治療が施されていない。さらに、おいしく味わって食べることができないことから、全員に食欲低下と体重減少が認められた。このように味覚障害は全身の健康およびQOLと深く関わることから、その診断と治療法の確立は急務である。 味覚障害の原因は多岐に渡るが、味覚障害患者の総唾液分泌量は障害の無い患者に比較して有意に低下していること、また、唾液分泌量を増加させる内科的治療を行うことにより味覚障害が改善されることを報告し、唾液分泌は健全な味覚機能の維持に重要な役割を果たしていることを示した。また味覚閾値の高いタイ人の調査結果より、酸刺激は全ての個体において総唾液量増加を惹起させたが、MSGは高齢者の唾液低下群でのみ総唾液量増加を惹起する結果を得た。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Book] 口腔内科学2020
Author(s)
佐藤しづ子、庄司憲明、笹野高嗣
Total Pages
6
Publisher
永末書店
ISBN
978-4-8160-1372-0