2017 Fiscal Year Annual Research Report
多次元多重型全光ネットワークの周波数資源極限利用に向けた資源割当法に関する研究
Project/Area Number |
17H04680
|
Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
廣田 悠介 国立研究開発法人情報通信研究機構, ネットワークシステム研究所ネットワーク基盤研究室, 主任研究員 (20533136)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 全光ネットワーク / フォトニックネットワーク / 空間多重 / エラスティック光ネットワーク / 周波数資源割当 / ルーティング |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、空間分割多重技術関連のデバイス研究開発動向調査を定期的に実行するとともに、まずは本研究の準備として進めていた空間分割多重型エラスティック光ネットワークのネットワーク性能分析として、マルチコアファイバ、マルチモードファイバ、並びにマルチコア・マルチモードファイバを具備したエラスティック光ネットワークの光パス資源割当手法評価用シミュレータの開発を行った。また、フラグメンテーションの抑制、他の空間チャネルを用いた衝突回避性能の向上を目的とした粗粒度ルーティングアルゴリズムの開発を行った。ネットワーク全体におけるトラヒック行列に基づき、それぞれ要求帯域幅の異なる光パス設定を効率的に収用するために、メタヒューリスティック手法である遺伝的アルゴリズムを用いて、各要求帯域幅のコネクションがフラグメンテーション無しに収用される仮想グリッドの準最適な幅を探索し、その設定された仮想グリッドを用いた動的光パス設定手法を検討した。検討した手法を評価用シミュレータ上に実装し、遺伝的アルゴリズムにおける各種パラメータの評価、既存のルーティングアルゴリズムとの性能比較評価を実施した。経路選択による負荷分散機能のみを実行した場合は、既存のk-shortest pathを用いた場合に対して有意な差は確認されなかったが、仮想グリッドを適切に設定した粗粒度ルーティング手法では、別空間チャネルへの衝突回避などにより棄却率を改善可能であることを明らかにした。更に、デバイス関連の動向調査に基づき、多次元多重型全光ネットワークにおける空間チャネルの新たな使用法として、波長・空間チャネルをスーパーチャネルとして伝送する光パケット伝送に関する特性評価も実施した。これらの成果については本分野の主要国際会議に投稿済あるいは投稿準備中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大阪大学から情報通信研究機構に異動したことにより特に本研究課題を進めるための計算機環境の構築に大きく時間を要したため、成果報告の観点では当初予定より遅れが見られる。一方で、研究そのものについては計画に概ね沿った形で進捗している。得られた研究成果の一部は、国際会議IEEE Globecomに投稿済みであり、他の成果についても順次投稿準備を進めている。これらのことより、概ね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
2年目である平成30年度は、初年度に開発した遺伝的アルゴリズムを用いた粗粒度ルーティング手法の改良と多面的な性能評価を実施するとともに、研究成果を国際会議などに投稿する。また、機械学習の適用についての検討を進め、これまで研究を進めてきたヒューリスティック手法との比較評価を実施し、適用可能性及び優位な適応領域について明らかにする。 また、デバイス技術を中心に、関連研究の動向調査を並行して進めるとともに、適宜本研究で開発するアルゴリズムなどへのフィードバックを行う。
|