2017 Fiscal Year Annual Research Report
生態系モデルに基づくオンライン社会活動分析技術の開発
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17H04681
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松原 靖子 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 助教 (00721739)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Web情報解析 / 非線形テンソル解析 / ビッグデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
オンライン時系列ビッグデータは、実社会における様々な分野で大量に発生している。例えば、Webサービスの代表であるGoogleの検索数は毎日30億クエリを超え、ソーシャルメディアサービスTwitterには、3億近くのアクティブユーザから5億件以上のTweetが日々生成され続けている。これらのオンライン活動データは、現実世界のニュース、季節性等を含む様々な実社会活動と連動し、リアルタイムに変化、推移している。このようなWeb情報の時間発展の解析は、特定のビジネスのみならず、社会経済の活性化、行政、環境、防災など、重要な社会問題を解決するための効果的なアプローチとして期待されている。本研究では、オンラインアクティビティのダイナミクスをリアルタイムかつ高精度に捉えるための高度な時系列解析技術、そして重要な社会現象を自動的に検出、判別し、適切な形でユーザに情報提示するための統合サービスの実装を行う。 本年度は、オンラインアクティビティのダイナミクスを表現するため、これまで提案した生態学に基づくモデルを深化、発展させ、様々な属性情報を含む複合データを多角的に解析することを可能とする非線形テンソル解析手法を開発した。さらに、リアルタイムにWeb上のアクティビティデータを予測するためのリアルタイムデータストリーム予測技術を開発した。 研究論文に関しては、Webの分野で国際的に最も権威のある学術雑誌ACM Transactions on the Web (TWEB)に論文が採択された。またそれ以外に、Springerの国際雑誌であるWorld Wide Web Journalに招待論文として採択されている。さらに、トップ国際会議であるKDD2017においてチュートリアル講演にも採択された。KDDでのチュートリアル講演は日本人としては初めての採択である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、オンラインアクティビティのダイナミクスを表現するため、これまで提案した生態学に基づくモデルを深化、発展させ、様々な属性情報を含む複合データを多角的に解析することを可能とする非線形テンソル解析手法を開発した。 また、国内外において研究発表を活発に行った。研究論文に関しては、Webの分野で国際的に最も権威のある学術雑誌ACM Transactions on the Web (TWEB)に論文が採択された。またそれ以外に、Springerの国際雑誌であるWorld Wide Web Journalに招待論文として採択されている。さらに、トップ国際会議であるKDD2017においてチュートリアル講演にも採択された。KDDでのチュートリアル講演は日本人としては初めての採択である。国際的にインパクトの高い研究成果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
考案手法では、キーワード/アクティビティの相互作用をモデル化する。しかし、キーワード/アクティビティの組み合わせ数が増えると計算コストは爆発的に増大する。そこで、相互作用が伴わないペアを高速に除去することにより、計算コストの低減化を図り、複合データのための非線形テンソル解析の高速化技術を確立する。さらに、Web情報は自然現象や人々の社会活動など様々な事象を表現している。今後、本研究では、ビッグデータとしてのWeb情報から時系列モデルを大量に構築し、時系列モデル間の因果関係(要因-結果関係)を捉え、すなわち事象の連鎖をモデル化する。様々な事故やトラブルの兆候(サイン)をビッグデータから高速かつ自動的に抽出するためのリアルタイム要因分析技術を開発する。
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