2018 Fiscal Year Annual Research Report
コンピュテーショナルフォトグラフィで実現する多様で複雑な物性情報の可視化
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17H04686
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
青砥 隆仁 筑波大学, 図書館情報メディア系, 研究員 (00785462)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | コンピュテーショナルフォトグラフィ / 物性変換 / コンピュータビジョン / コンピュータグラフィックス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、物性変換理論に必要な時間・空間を正確に計測するデバイスとして物体内部の特定位置に存在する物体を観測するデバイスの構築を行った。従来、物体内部を計測する手法としては光の干渉を用いる手法や光のボケを用いる手法など様々な手法が提案されていたが、前者は装置のコストが大きく小領域しか計測することができない。また後者は観測結果からの数値計算による再構成コストが高く、空間解像度が低いといった問題が存在した。一方、提案手法は、プロジェクタから投影される角度あたりの空間周波数と観測するカメラの角度あたりの空間周波数が異なるという条件で光学系を設計し、奥行きごとに観測される周波数が異なるように設計することで、観測画像に対して相関演算を行うだけで特定の奥行き情報を可視化することが可能である。そのため、比較的低コストな装置構成であり、かつ計算コストも低く、観測可能な範囲も広いという特徴をもつ。本研究成果は物性を可視化するにあたり、観測する奥行きが決定されているのであれば、比較的少数の画像から内部の情報を簡便に可視化することが可能である。また提案システムを用い、濡れ性の可視化への検討を行った。水分含有量の変化を単一の波長で計測するためには、時間・空間解像度をより高くする必要があることがわかった。これは物体が乾燥した状態から濡れることによって見かけ上変化する光路長の変化が、数mm程度と小さく、その中間過程を可視化するためには数um程度の光路の変化を取得する必要があるためである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
汎用品のみを用いて構築予定の部分において、汎用品では計測に十分なスペックが足りず、自身の手による回路設計を余儀なくされ、装置製作過程において大きな遅れを生んだ。しかしながら、装置設計を自身の手で何度か繰り返す中でより高精度に物体内部を可視化する方法や光学距離推定に関する様々な方法の理論構築に繋がったため、研究全体の進捗としては順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
対象物体に特化した装置作成に関するノウハウは徐々に蓄積している。特に光を多次元的に計測するデバイスの構築に関しては、従来の想定以上の成果を挙げている。計測系の構築を一段とあげることによって応力発生部分は従来と同等でも最終的な応力による変化はこれまで以上により良く可視化することが可能となることが期待される。今後は応力発生部に関するより高度な操作について検討を重ね本研究課題遂行にあたる予定である。
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Research Products
(1 results)