2019 Fiscal Year Annual Research Report
Cross-Field Display on Cross-modalities
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17H04688
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
落合 陽一 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (90762188)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ヒューマンインターフェース / バーチャルリアリティ / 触覚ディスプレイ |
Outline of Annual Research Achievements |
視聴覚に依存したディスプレイ技術の発展により,ユビキタス環境やバーチャルリアリティ環境において視聴覚を補完するような実用に足る触覚提示技術の重要性 は日々大きくなっている.令和元年度においては現在開発中の多重場触覚ディスプレイのプロトタイプとして空中多重場触覚の研究(音場+空気圧)や, 実世界教育のための没入型VRアプリケーション+現物による触覚再現,装着型多重力覚提示ディスプレイ,再起性反射を用いた空中立体表示に関するインタラクションを行なった. 空中多重場ではプラズマ・音響・光・磁気など多くの触覚要素の重ね合わせを行なってきており,そのうちプラズマと音響にまつわるものを書籍にまとめた.空中のみならず身体感覚との組み合わせとして,デジタルファブリケーションを用いた触覚提示なども積極的に実践しており,プロジェクトの模索の中から社会実装可能なプロトタイプを探求している. それらの研究プロジェクトについて,国際会議発表並びに展示会での展示発表を行うなど研究のアウトリーチを実践した.それらを通じてよりリッチなバーチャルリアリティ環境の構築やユーザーインタラクションに関しての研究が進展した. 一連の研究を通じて身体に付随するディスプレイの開発および評価実験を行ない,これによって実用における解像度の問題や最適な組み合わせ法について検証を行い,ディスプレイの評価やコンテンツ制作の課題などが発見された.また多重場というテーマに関連して,未だ論文発表には至っていないが,流体と音響放射圧に組み合わせによる多重場インタラクションの研究などが進んだ.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究目標のうち多重場提示による,単なるそれぞれの場の重ね合わせではない知覚の変化を調査しモデル化については初年度から継続し,実用的な解像度や 閾値を満たす触覚提示の組み合わせを明らかにしつつある.またスマートフォンデバイスやVR装置を用いたインタラクションに加えて装用型の触覚提示やVRアプリケーションを模索するとともにコンテンツ開発なども行なっている.
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度においては現在開発中の多重場触覚ディスプレイのプロトタイプとして空中多重場触覚の研究(音場+空気圧)や, 実世界教育のための没入型VRアプリケーション+現物による触覚再現,装着型多重力覚提示ディスプレイ,再起性反射を用いた空中立体表示の出入力に関するインタラクションを行なった.これらの知見とあわせて開発デバイスや関連アプリケーションも蓄積してきており,研究コミュニティとしてもシステムの開発や提供という点で協力者が増えてきた.令和2年度においては,当初オリンピックやパラリンピックに社会的注目が集まり,それに付随したアプリケーションとして,ダンスやバドミントンやゴルフなどのスポーツアプリケーションとしての視覚・触覚・聴覚での情報提示の組み合わせに関する研究を予定していたが,オリンピックパラリンピックの中止やコロナウイルス禍の影響を加味して,よりコミュニケーションに特化した視覚・触覚・聴覚に関する多重場情報提示への方法論を社会実装の実践を通じて探求していく. また,今までの知見をもとに論文の執筆や投稿を積極的に行っていきたい.
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