2018 Fiscal Year Annual Research Report
Proposing Game-Theoretic and Algorithmic Solutions for Generalized Exchange Problems
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17H04695
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
東藤 大樹 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (50708394)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ゲーム理論 / マーケットデザイン / アルゴリズム設計 / 資源配分 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度の主な研究成果は,招待講演2件,国際論文誌からの論文出版1件,ならびに難関国際会議からの論文出版2件である. 2018年度前期には,前年度に開始した,離散構造上の意思決定に関する研究を遂行した.国際会議 AAMAS-2018 で研究報告を行ったほか,不正への耐性を有する意思決定メカニズムが持つ性質を明らかにした.当該研究成果は,2019年度開催の国際会議 AAMAS-2019 で報告予定である.また,SAT ソルバを利用したメカニズム自動設計にも取り組んでおり,最新の成果を2019年度開催の人工知能学会全国大会 (JSAI-2019) で報告予定である. 2018年度後期には,エージェントの選好に不確実性がある環境での資源配分問題に関して研究を遂行した.特に,インタビューを用いて選好を逐次解明していくアルゴリズムを提案し,その性能を評価した.当該研究成果については,国際会議投稿中である.また,交換/資源配分におけるエージェントのインセンティブを定量的に評価する手法として,誘因率 (Incentive Ratio) を導入し,サービス交換モデルのための交換メカニズムについて,アルゴリズム的観点からインセンティブを議論した.当該研究成果は JSAI-2019 で報告予定である. 研究交流としては,研究協力者の Minming Li と引き続き研究討議を行い,社会選択のアルゴリズム的側面に関する共同研究を遂行中である.また,ニューサウスウェールズ大学の Zhaohong Sun を招聘し,一般化交換問題のアルゴリズム的側面に関する共同研究を開始した.さらに,国内研究集会や国内企業による研究会で招待講演を行い,研究成果の発信および研究者・実務家との意見交換を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
交換/資源配分,特にサービス交換モデルにおけるインセンティブの解析について,計画通りに,アルゴリズム的側面から定量的に解析を行った.3年目(2019年度)の研究の基盤となる重要な成果であり,来年度以降も引き続き,計画に従って研究を遂行できると予想する. さらに,より一般の資源配分問題や,社会選択/集団的意思決定のモデルに関しても,インセンティブを考慮したアルゴリズムの設計と解析が進行しており,期待以上の成果が挙がっているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度前期には,資源配分における選好誘出手法について,インタビューによる誘出の限界と,他の手法の効果を議論する.また,その特殊ケースとしての一般化交換問題に関して,効果的な選好誘出手法が満足すべき性質を解明する.インセンティブに関する議論,特にコアや誘因率の解析も並行して行う. 2019年度後期には,社会選択/集団的意思決定に関する研究を遂行する.特に,SAT ソルバを用いたメカニズムの自動設計に関して,理論的保証を担保する手法を検討する.
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