2017 Fiscal Year Annual Research Report
誘電泳動を駆使した循環腫瘍細胞検出システムの実用化にむけた基盤技術の開発
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17H04704
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Research Institution | Fuzzy Logic Systems Institute |
Principal Investigator |
江口 正徳 一般財団法人ファジィシステム研究所, 研究部, 主任研究員 (60613594)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 画像診断 / 誘電泳動 / 循環腫瘍細胞 / インピーダンス計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,血液中の循環腫瘍細胞を抗原抗体反応や免疫染色等を行わず,ラベルフリーで高感度検出可能な装置の実現に向けた基盤技術の確立を目指している.平成29年度は,細胞の誘電特性およびインピーダンス等の電気的特性による細胞判別法を確立するために,下記のデバイスを設計・試作し評価を行った. (1)循環腫瘍細胞を単離かつエレクトロローテーションを発生可能なピラー電極アレイを試作した.これまでに循環腫瘍細胞の単離かつエレクトロローテーションを発生可能なデバイスとして,マイクロウェルの周囲にエレクトロローテーションを発生可能な薄膜電極を配置したデバイスを作成していたが,細胞を高導電率の溶液(例えば血漿や生理食塩水など)に分散した溶液を用いると,エレクトロローテーション発生時に誘電泳動力により細胞が浮遊するといった問題点があった.そこで薄膜電極をピラー状にし,アレイ化することで誘電泳動力によって細胞に生じる浮遊力を極力抑えたデバイスを設計・試作した. (2)エレクトロローテーションによって回転する細胞の回転速度の形状による個体差および,形状に基づく補正係数に関して検討を行った. (3)上記のエレクトロローテーションを用いた誘電特性の測定法は,細胞の挙動(回転)から細胞のみの誘電特性を測定することが可能であるが,マイクロ波帯で多相交流電界を発生させることが困難であるので,細胞のインピーダンスを広帯域で測定可能なデバイスを設計した.設計したデバイスはリング共振器を有するマイクロストリップ平行電極とLC共振器を有するものの2種類について比較・検討を行った.また,設計したデバイスを試作するための条件だしを行い,設計通り作製可能であることを確認した.また,上記2種類の電極のアレイ化について電磁界解析を用いて,検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度計画していた,単離かつエレクトロローテーションを発生可能なピラー電極アレイと細胞のインピーダンスを広帯域に計測可能なデバイス設計および試作し,おおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては,当初の計画通り遂行することを予定している.具体的には,設計・試作した細胞の誘電特性およびインピーダンス計測用デバイスを用いて,その有用性を評価するとともに改良を行う.また,H31年度は上記の細胞計測と並行して,マイクロフィルタおよび表面弾性波を用いた血液細胞のサイズ分離に関して検討を行い,デバイスの設計・試作を行い,それらの分離率および回収率に関して評価を行う.
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Research Products
(4 results)