2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Individual Learning Support System Optimized by Learner Characteristic Analysis
Project/Area Number |
17H04707
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
森下 孟 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (70642528)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 学習支援システム / 学習分析 / 学習の個別最適化 / 学習特性の可視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
生徒の特性や状況等は生徒一人一人によって異なり,生徒の「Will(志)」を効果的に引き出すために,生徒の興味・関心や理解度等の様々な観点から個別最適化された,効率的・創造的な学び方を提供することが求められる。しかし,生徒の興味・関心や理解度等は内在的な側面を有し,それを客観的・明示的に見ることは極めて困難である。生徒の学習データを基に生徒の学習特性を可視化し,教師や生徒に対して,個別最適化された学習の実現を支援するシステムが必要である。そこで,「生徒の学習データをもとに生徒の学習特性を可視化する機能」に焦点化し,ヒートマップで生徒の特徴分析や教師の指導選択を支援する方略を提案しシステム開発した。 本システムでは,LRSを基にイベント間の学習過程をヒートマップで表した。例えば,ある問題に正答すれば緑,誤答すれば赤と定義すれば,問題提示時と解答送信時にイベントピンが挿入され,その正誤に従いイベント間に緑や赤の帯がつく。問題提示から一定時間経過しても解答されない場合,問題提示のイベントピンの後に灰色の帯を表示する。また,ある問題の誤答傾向から補充問題に移行した場合には青の帯で表示する。各イベントピンまたは帯にマウスオーバーすると,どの教材の,どんな問題を,どのくらいの時間で,どのように答えたかを見ることもできる。これにより,教師は生徒の学習状況を即時に把握し,クラス全体の進捗状況に応じて適切な指導を与えることができる。また,灰色の帯が表示され,躓いていると思われる生徒に個別指導を与える機会を得ることができる。つまり,イベントピンのタイミングや帯の色等から,生徒の学習特性を推定し類似学習データを有する生徒をグループ化することができるようになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度に行った海外研究機関等における先進的な学習履歴分析手法の調査結果を踏まえ,当初の予定どおり2017年度に開発したシステムをブラッシュアップした。大学授業などのデータ収集を通じて,改良したシステムに投入するデータセットを準備することができた。データを投入してシステムフィードバックを与えるには至っていないが,データセットを投入する前段階まで準備は整っており,当初計画どおり2020年度にフィードバックをかけることを鑑みればおおむね順調に進展していると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度は,これまでに改良したシステムに様々な授業などで収集したデータセットを投入し,システムの有用性と汎用性を検証する。また,学習特性に応じた適切なフィードバックを学習者に与えて学習成績等を向上させるための機能を開発・実装しその評価・検証を行う。なお,これまでに得られた研究成果などは,前年度までに引き続き,各学会・研究会等への参加・成果報告や研究成果の公開等を通じて行う。
|
Research Products
(8 results)