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2018 Fiscal Year Annual Research Report

Ex situ conservation programmes utilizing the behavioral plasticity in environmental manipulationen for dangered sea turtles

Research Project

Project/Area Number 17H04720
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

工藤 宏美  東京大学, 大気海洋研究所, 特別研究員 (80649757)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords絶滅危惧種 / 移動性野生動物 / ウミガメ / 行動可塑性 / 行動シンドローム / パーソナリティ
Outline of Annual Research Achievements

今年度は、大分県間越海岸付近でのアオウミガメ亜成体の混獲個体を用いて、前年度に設定した刺激で刺激提示実験を行い、行動の一貫性を確認した後性格を特定し、行動可塑性を調べた。また、2種類の性格次元の行動反応性から行動シンドロームの有無を調べ、行動可塑性との関連性を調べた。その結果、行動シンドロームを示さない集団では、性格が大胆で探索性の高い個体に偏り、行動可塑性が高かった。一方、行動シンドロームを示す集団は性格に偏りがなく、行動可塑性が低いことがわかった。最後に、行動シンドロームを示さない個体と行動シンドロームを示す個体を追跡した。その結果、行動シンドロームを示さない個体の移動距離は長く、行動シンドロームを示す個体の移動距離は短かった。これらのことから、行動可塑性の高い個体は、行動シンドロームを示さない傾向があり、行動シンドロームには生息圏のサイズが関連している可能性が示唆された。また、大分周辺では行動シンドロームを示す行動可塑性の低い個体と行動シンドロームを示さない行動可塑性の高い個体が生息していた。2集団の遺伝的由来は同じであることから、これまでの生息環境の履歴が異なる二つの集団が大分に来遊している可能性が示唆された。今年度は、大規模な自然災害のため、混獲個体が少なく、野外行動の追跡ができなかった。その結果、行動シンドロームと野外での生息圏サイズとの関連性を示すことができなかった。そのため、追加実験として、大分県に来遊する集団とは遺伝的には異なるが、より生息圏サイズが小さい八重山郡黒島付近の混獲個体でこれまでと同様の実験を行い、行動シンドロームの有無を調べた。その結果、大分で得られた結果と同様に、生息圏サイズが小さい個体は行動シンドロームを示した。これより、生息圏サイズと行動シンドロームとの間に関連性がある可能性が高まったが、大分の2集団で示す必要がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本年度は、室内実験と野外での追跡調査に 使用するアオウミガメの実験個体の捕獲の結果 、当初の予想に反し、複数の台風の影響のため 捕獲率が極端に低いことが判明し、十分な個体数で実験ができなかった。他の地域の個体を用いて、追加実験を行い、これまでに得られている結果からの仮説を裏付ける結果を得たている。しかし、仮説を証明するには、これまで実験してきた個体群で個体数を増やして証明する必要がある。そのため、今年は確実な結果を得ることができなかったため、個体数を増やして追加実験する必要があり、当初の計画に対して信仰がやや遅れている。

Strategy for Future Research Activity

本研究では、アオウミガメの亜成体を用いてa)状況の違いに応じた行動を計測することで、行動可塑性の高い個体の性格を特定し、b)性格と野外行動の関連性を調べることで、行動可塑性に影響を与える行動特性の適応性を検証する。さらにc)行動可塑性の高い個体の性格の獲得要因を調べるため、性格と行動特性を個体群比較する。以上の結果をもとに、性格と野外の行動特性から、可塑性の高い性格の個体を特定することができ、生息域外保全の移植個体の選定基準の範囲を設定する。来年度は、引き続きa)の実験をして個体数を増やし、b)の実験を行う。また、c)についてもウミガメ類の異なる種で同じ実験設定がどの程度可能か予備実験を行い、実験設定を調整する。
具体的には、行動可塑性に影響を与える行動特性の適応性の検討を行う。行動可塑性の高い性格を特定後、野外に放流後の位置情報を計測し、生息圏サイズを推定する。これにより、性格と野外での生息圏サイズの関連性を調べ、高い行動可塑性をもつ性格の個体の行動特性を明らかにし、適応性を検討する。また、研究遂行上、十分な実験個体を得ることが不可欠であるため 、捕獲範囲を広げて捕獲数の十分な確保を行うための事前準備を行ったうえで実験個体の追加捕獲を行う。また、性格の特定や野外での行動追跡で、より説得力のあるデータを得るために、状況によっては調査場所や実験の追加・変更も行う。

  • Research Products

    (1 results)

All 2019

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] アオウミガメ亜成体に見られた行動シンドロームの個体群間比較2019

    • Author(s)
      工藤宏美, 内田桂, 亀田和成, 佐藤克文
    • Organizer
      第66回日本生態学会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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