2017 Fiscal Year Annual Research Report
高品質な機能性食品の開発を目指した、物性-動態-活性/安全性の連関解析
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17H04724
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長野 一也 大阪大学, 薬学研究科, 准教授 (40548301)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 機能性食品 / 品質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、研究代表者らが推進してきたナノマテリアルの安全性確保研究(物性-動態-毒性の連関解析)を機能性食品に応用することで、有用で安全な非晶質クルクミンを開発し、昨今の課題となっている品質担保のための評価手法としての有用性を実証することを目的としている。 そこで、本年度は、まず、現行開発品の動態(ADME)に焦点をあてて解析を試みた。水溶性が高いクルクミン製剤を開発できたため、3ヶ月間自由飲水させた後の組織分布を定量比較したところ、既存の市販製剤では、水溶性・吸収性が低かったことと相関し、各種臓器でクルクミンはほとんど検出されなかった。その一方で、現行開発品は、肝臓や脾臓、肺を中心に分布が観察され、高吸収性化体だからこその有用性が示唆された。また、安全性情報として重要な排泄経路を検証したところ、市販製剤では、これまでの報告同様、糞中で検出され、そのほとんど全てが未変化体であった。その一方で、現行開発品では、糞中で検出されたクルクミン量自体少なく、その半数がグルクロン酸抱合体といった代謝産物であった。さらに興味深いことに、現行開発品では、市販製剤とは異なり、尿中でも検出された。以上の検討から、市販製剤は、吸収されることなく、そのまま糞中に排泄されるのに対し、現行開発品では、吸収されたクルクミンが代謝を受けて、腸管循環しながら糞中と、そのままに尿中に排泄されていることが示され、クルクミンも吸収さえされれば、尿中排泄されることがはじめて示された。 また、効能/安全性を評価する一環として、先ほどと同様に、半年間自由飲水させて、血中マーカーや体重・臓器重量を測定した。その結果、コントロール群に比較して体重や主要な臓器の重量に変化が認められなかったのに対し、血中トリグリセリド量が低下傾向にあり、有用で安全な機能性食品になりうることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究実施計画を達成したうえ、クルクミンも吸収さえされれば、尿中排泄されることをはじめて明らかにしたため。
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Strategy for Future Research Activity |
現行開発品の自由飲水により、血中トリグリセリドが低下する傾向が観察されたため、高脂肪食負荷モデルマウスなどを活用し、市販製剤との比較など、その詳細を解析する。また、安全性評価についても、体重や臓器重量のみならず、血球数の変動や、生化学マーカーの変動などを含めて、より詳細に検証を試みる。
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[Presentation] 高品質な機能性食品の開発を目指した非晶質クルクミンの動態学的評価2018
Author(s)
中村倫子, 長野一也, 武田真梨子, 平井はるな, 前北 光, 中尾友洋, 木下圭剛, 坂田 慎, 西野雅之, 原田和生, 平田收正, 東阪和馬, 堤 康央
Organizer
日本薬学会第138年会
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[Presentation] 各種クルクミン製剤の活性比較による新規非晶質クルクミンの有用性評価2018
Author(s)
前北 光, 長野一也, 平井はるな, 武田真梨子, 中村倫子, 中尾友洋, 木下圭剛, 坂田 慎, 西野雅之, 原田和生, 平田收正, 東阪和馬, 堤 康央
Organizer
日本薬学会第138年会
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[Presentation] 新規非晶質クルクミンの高水溶性機序の解明を目指した、分子間相互作用の解析2018
Author(s)
長野一也, 武田真梨子, 吉田卓也, 平井はるな, 中村倫子, 前北 光, 中尾友洋, 木下圭剛, 坂田 慎, 西野雅之, 原田和生, 平田收正, 東阪和馬, 堤 康央
Organizer
日本薬学会第138年会
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