2017 Fiscal Year Annual Research Report
植物性食品成分が制御する生体分子群の同定と機能発現解明
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17H04725
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中村 俊之 岡山大学, 環境生命科学研究科, 助教 (90706988)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 食品機能 / 標的分子 / イソチオシアネート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では「食品成分と相互作用する生体分子とそれに伴い制御される分子群の同定」および「相互作用に必須の分子構造の解明」を行うことを目的としている。食品成分による機能性発現機構は、食品成分と生体分子の相互作用を開始点として、それに伴う生体分子間の相互作用により惹起されると考えられる。そのため、相互作用分子の同定・解明は、食品の機能発現を理解する上で重要な知見となる。加えて、食品成分の構造活性相関を評価することで、相互作用に必須の分子構造の理解が可能となる。 本年度は、(1)ベンジルイソチオシアネート(BITC)処理した培養細胞タンパク質を電気泳動およびWestern blottingに供し、特異モノクローナル抗体を用いてBITC修飾タンパク質の検出を試みた。その結果、BITC濃度依存的にいくつかのタンパク質バンドが検出できた。そこで、電気泳動後のタンパク質バンドを切り取り、プロテアーゼによるゲル内消化後、MALDI-TOF-MS分析を行った。さらに、特異モノクローナル抗体での免疫沈降によりBITC修飾タンパク質を回収後、電気泳動およびWestern blottingに供し、様々なタンパク質に対する抗体を用いて検出を試みた。その結果、BITC修飾タンパク質といくつかの抗体との反応が認められた。(2)カテコール構造を有する化合物を抗原として得られたモノクローナル抗体の特異性解析を行った。その結果、カテコール構造を有する一部の低分子化合物と反応する抗体であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、イソチオシアネートの標的と考えられる分子の同定に成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
イソチオシアネート付加による標的分子の機能性変化を検討する。カテコール構造を有する化合物を抗原として得られたモノクローナル抗体を用いて標的分子の探索を行う。
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