2020 Fiscal Year Annual Research Report
植物性食品成分が制御する生体分子群の同定と機能発現解明
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17H04725
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中村 俊之 岡山大学, 環境生命科学研究科, 助教 (90706988)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 食品機能 / イソチオシアネート / ポリフェノール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では「食品成分と相互作用する生体分子とそれに伴い制御される分子群の同定」および「相互作用に必須の分子構造の解明」を行うことを目的としている。食品成分による機能性発現機構は、食品成分と生体分子の相互作用を開始点として、それに伴う生体分子間の相互作用により惹起されると考えられる。そのため、相互作用分子の同定・解明は、食品の機能発現を理解する上で重要な知見となる。加えて、食品成分の構造活性相関を評価することで、相互作用に必須の分子構造の理解が可能となる。 本年度は、(1)相互作用・機能発現に必要な部分構造探索のため、ベンジルイソチオシアネート(BITC)抱合体およびケルセチン抱合体を用いて機能検討を行なった。その結果、未抱合のBITCのみならずGSHやNAC抱合体においてもDNAの断片化およびCaspase-3の活性化が認められた。また、ケルセチンとその抱合体を用いた検討では、アグリコン同様に一部の抱合体処理により第二相薬物代謝酵素の遺伝子発現誘導が認められ、機能発現に必須の部分構造が示唆された。(2)BITCを処理した培養細胞の細胞溶解液および培養液からBITC抱合体の分析を試みた。その結果、GSHやシステインとの抱合体が検出されたことに加え、時間依存的にリシン残基との抱合体が認められた。未抱合のBITCにおいては処理後速やかに細胞内に蓄積され、高濃度処理では細胞死を伴い活性が低下した。その一方で、BITC抱合体は緩やかに蓄積され、BITCが有する活性が発揮されたことから、BITCの細胞内蓄積と活性に相関があることが示唆された。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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