2017 Fiscal Year Annual Research Report
Real-time monitoring of landslides and characterization of mechanisms using seismic waveforms
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17H04733
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 真澄 京都大学, 防災研究所, 助教 (60456829)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 地すべり / 地震学 / 地震波形 / 地すべりモニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年北海道羅臼町で発生した海岸地すべりでは、前兆信号と見られるスティックスリップ状の地震波形が観測されている。この地すべりは、地層とほぼ平行にすべっており、土塊に押されて座屈した海底が隆起することによって停止している。この隆起部は冬季の強風と高波によって侵食が進んでおり、隆起部のストッパーがなくなってしまうと、この地すべりが再活動する可能性がある。このように、地層面を境界として大規模な土塊が海岸へ平行移動するメカニズムは存続しており、再びすべり面でスティックスリップ現象が発生する可能性がある。今年度は、本地すべりの挙動をモニタリングするため、地すべり周辺で地震観測と既存ボーリングコア内での観測装置の設置を行った。地震計は震源決定を可能にするため、地すべり周辺に3点設置した。また、ボーリングコア内には、水位計2台とEC計2台、およびパイプひずみ計(1m間隔)を設置した。今後継続してデータを取得することにより、地すべり運動と間隙水圧のパラメータ、振動との関係をモニタリングしていく。
また、2017年度新たに発生した地すべりの周辺の地震波形解析及び現地調査を実施した。2017年5月19日に長野県飯山市で発生した山腹崩壊では、周辺の地震計で振動が記録されていた。この地震記録を解析することにより、山腹崩壊が2つに分割して発生したこと、1つ目の崩壊が体積が大きく、2つ目の崩壊は数十秒後で土石流を伴っていたことが明らかになった。さらに、現地調査にてドローン撮影を行うことにより、地すべりの3次元モデルを作成した。このモデルも、地震波形から推定された地すべり運動と整合的であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は研究の初年度となるため、当初の目的として挙げていた2015年北海道羅臼町で発生した海岸地すべり周辺の観測機器の設置を行った。今後、データが蓄積されていくにしたがって、地すべりの挙動を解析していく予定である。また、2017年度新たに発生した飯山市の地すべりの地震波形解析や現地調査を追加で行い、地震波形記録が地すべりの運動メカニズム解明に役立つことを示した。
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Strategy for Future Research Activity |
課題A) リアルタイム処理のプロトタイプシステムの構築:地すべりの発生場所、時刻、規模やタイプを即時推定するプロトタイプシステムを構築し、サーバー上で試験的に運用を行う。防災研究所では、全国の大学、研究機関の微小地震連続記録を1-2秒の遅延時間で受信している。データをサーバーに取り込むモジュールを開発し、サーバー上で連続稼働できるシステムを構築する。 課題B) 羅臼地すべり周辺のデータ解析:1年目に設置した地震計やひずみ計データの解析を行い、すべり面の推定やすべりのメカニズムの解明を行う。 課題C) 地すべりのスティックスリップ現象を説明するモデルの構築:世界各国で発生したスティックスリップ現象を記録した地震波形を収集し、様々な物理パラメータ(気象条件、融雪による間隙水圧の上昇、岩石の強度、すべり面にかかる重力)を調べ、スティックスリップ現象を説明する既往のモデル(Aochi and Ide, 2016, JGR)に適用し、地震波形の振幅および発生間隔の再現を試みる。
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Research Products
(5 results)