2017 Fiscal Year Annual Research Report
戦略的細胞移植治療を拓くin vivo移植機能イメージング技術の開発
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17H04736
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
城 潤一郎 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 助教 (60511243)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | モレキュラービーコン / 細胞内徐放 / イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、細胞移植治療において移植細胞が発現する生物機能(移植機能)を個体レベルで非侵襲的に長期間検出するin vivo移植機能イメージング技術を開発することである。研究代表者がこれまでに開発した、モレキュラービーコンによる細胞生物機能の検出技術と生分解性ナノ粒子を用いた細胞内徐放化技術を発展させ、移植機能を体外から長期間検出する細胞移植センサーを開発する。開発した細胞移植センサーの性能をin vitroで明らかにするとともに、骨欠損モデル動物の細胞移植治療に適用し、その有効性を確認する。今年度は、細胞移植センサーの設計と物性評価ならびに細胞移植センサーの細胞内挙動および移植機能検出能のin vitro評価を試みた。 細胞生存のイメージングを達成するため、カスパーゼ3およびglyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenaseのmRNAに対するモレキュラービーコンを設計した。一方、コアセルベーション法を用いて、カチオン化ゼラチンナノ粒子を作製した。カチオン化ゼラチンナノ粒子へそれぞれのモレキュラービーコンを添加することによって、細胞生存機能をみる細胞移植センサーを得た。カチオン化ゼラチンナノ粒子へのモレキュラービーコン内包量を調べるとともに、サイズとゼ―タ電位を測定した。また、ターゲットmRNAの検出能についても調べた。 得られた細胞移植センサーをマウス間葉系幹細胞株とともに培養した。細胞移植センサーの細胞内取り込み量および細胞内動態について評価した。細胞移植センサーはエンドサイトーシスで取り込まれ、その後エンドソーム脱出により細胞質へ存在することが明らかとなった。薬剤処理により細胞死を誘導したところ、細胞移植センサーの機能発現(細胞死検出)が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で重要となるのは、細胞の移植機能を可視化できるモレキュラービーコンと、それを細胞内徐放できるキャリアの設計である。今年度の検討により、細胞死の可視化に成功した。今後用いるキャリアの細胞内徐放性の検討が課題となるが、研究はほぼ計画通りに進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
他の細胞の移植機能を可視化できるモレキュラービーコンの設計と細胞機能可視化を目指すとともに、用いるキャリアの細胞内徐放性の検討を行う。最終目標のin vivo移植イメージングを目指し、適切な動物実験モデルの検討を開始する。
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